アムステルダムに到着です。アーネムやユトレヒトとは全く違った空気の首都。運河が幾重にも重なった複雑な地形から、カーナビを見ていても道を逸れそうになります。車窓から街を眺めていても、明らかに人種が入り乱れていているのがよく分かる。
到着したホテルも、他の街のホテルと比べて値段は破格に高いのに、部屋はいかにも安宿といった風情。レセプションの応対も悪ければ、駐車場の料金もWebサイトに書かれているものの3倍と、何かと期待外れ。
市内の移動はもっぱらトラムになります。運河にかかる橋ではどこでも渋滞しているし、一方通行ばかりだし、駐車料金は驚くほど高いので、自動車はハンディキャップになります。
レンブラント、ゴッホ、アンネフランク、ハイネケン、コーヒーショップ、飾り窓と、この街を代表する見どころ(?)はたくさんありますが、絶対外せないのはゴッホ美術館。日曜日は文字通りごった返していました。
ゴッホの作品は、印象派後期にありながら独自の表現に徹した、誰にも真似の出来ない画風に特徴がありますが、そのスタイルが時間とともにどう変化して行ったのかを作品とともに追うことが出来ます。僕自身は作品があまり好きではないのですが、画用紙の隅々まで描かれたスケッチを眺めていると、人柄までが見えてくるようで何だか嬉しくなります。
同時に特別展として開催されていたJohn Everett Millaisの作品も素敵でした。
ハイネケンエクスペリエンスは、今回のアムステルダムで是非とも行きたかった場所のひとつでしたが、残念ながら改装のため閉館中。泣く泣く正面で記念撮影をして、隣のカフェに入ってハイネケンで乾杯!
世界中にこれほど広まっているハイネケンでも、やっぱり地元で飲むと美味しい気がするから不思議です。
夜はオランダ料理専門店と歩き方に紹介されていた店で、和田さんとの最後のディナーをしました。正直どうかと思うような味付けも、あまり美味しくないことのほうで有名なオランダ料理。名物だと思って頂きました。
その後ホテルまで、飾り窓やコーヒーショップをひやかしながら散歩。以前アムステルダムに来た時に感じた印象と比べて数倍狭く凝縮された感じのいかがわしい飾り窓には、ビックリするくらい太った黒人のおばちゃんから、ビックリするくらいスタイルの良い美人の白人さんまで様々。女性もたくさん歩いているので、あまり危ない感じはしません。アムステルダムの立派な観光資源ですね。
翌日、レンブラントの家でエッチングのデモンストレーション(レンブラントの時代に行われていた手法を再現)を見た後、アムステルダムの郊外にあるザーンセスカンスまで遊びに行きました。木靴、チーズ、風車といったオランダの名物がぎゅっと集った小さな町です。チーズ屋さんでは、その場で作っているチーズを試食(お腹いっぱい)を堪能したり、木靴屋さんで木靴作りを生で見られたり(想像以上に機械化されています)。
なんと言っても寒いし、観光シーズンでは無いので閉まっている店も多いし、中国人観光客の団体があちこちで写真を撮っているしで、観光ポイントよりもあちこちで草を食んでいる羊や、授業が終った地元の学生たちが自転車で駆け抜けて行く風景のほうが面白い。シーズン中であれば、風車の動力で材木を切ったり、塗料を作ったりするデモンストレーションが見られるようです。
そして和田さんを空港まで見送りしました。パリからここまでずっと連れ立ってきただけに、とても淋しいです。2週間という短い期間でしたが、あちこちの観光地を駆け足で走り回る僕たちの旅に、よくお伴してくれました。