アメリカの国立公園を巡ることを決めた時から、イエローストーンは外すことの出来ない場所です。日本で「夢の風景」という写真集に紹介されていた写真を見て、絶対見なければ気が済まなくなりました。お湯の湧き出る池に生息するバクテリアの影響で、水の色が真っ青なブルーから茶色までのグラデーションに見えるらしいのです。Google Earthでもその色は確認できるし、カラフルな温泉だけでなく間欠泉もたくさんあると知って、旅行を始める前から夢を膨らませていました。
イエローストーン国立公園はアメリカで最初に国立公園として指定された場所で、古くから試行錯誤の上、野生の保護が試みられてきた場所でもあります。
アーチズから一旦ソルトレイクシティで一泊して翌日、到着したのはイエローストーン国立公園のすぐ西隣にあるウェスト・イエローストーンという町。公園は大部分がワイオミング州に属するのですが、この町はモンタナ州です。来る途中でポテトで有名なアイダホ州も通りました。アイダホポテトは製菓会社の宣伝文句だけだと思っていたのですが、走っても走ってもじゃがいも畑が続く風景や、車のナンバープレートに「Famous Idaho Potatoes」と書かれているのを見て、ポテト生産で名をとどろかせる州なのだと納得。
それはさておき、翌日朝から公園に出かけるつもりが、雨が降っていてがっかり。午後になって雨が止んだので公園のビジターセンターまで行ったものの、すぐまた雨模様。その日はモーテルで待機することに決めたのでした。
それにしても前日までとは打って変わってとても寒い。北上したり、山に登ってきた結果だとは言え、あまりの寒さにダウンジャケットも欲しいくらいですが、そんな準備はしてきていません。手持ちの洋服をいくつも重ね着する必要がありそうです。
翌朝起きてみてびっくり。朝ご飯を食べるため、別棟にあるラウンジに向うため部屋のドアを開けたら、駐車場に停めてある車が雪で真っ白です。積もっているのは10cmほどですが、まさかこの時期に雪を見るとは思っていなかったのと、防寒着が足りないのではないかと思い焦りました。
入り口のすぐそばにあると言っても、公園自体がとてつもなく広いので、ビジターセンターに到着するまでに1時間は車を走らせます。公園は大きく5つのエリアに分けることが出来、今回目的にしているのは温泉や間欠泉が多数点在するガイザーカントリーと石灰を含んだ温泉の噴出で棚田のようなテラスが出来上がった場所の多いマンモスカントリー。それぞれ車で1時間以上かかる距離で離れているので、公園内に8の字に作られた道路を何度も走ることになります。
この公園がすごいのは、走っている途中で何度も野生動物に巡り合えること。大きなシカの仲間のエルクやバッファローは夕方にもなれば群を成してあちこちで食事中。コヨーテやグリズリー、フクロウなどなかなかお目にかかれない動物にも遭遇しました。(グリズリーは遠くで歩いているお尻が見えただけですが)
バッファローの群れが道路を横断するところに出くわした時には、驚きました。100頭くらいが走ってくるので、車に衝突したり、怒らせたりしないかドキドキしました。