順路に従ってしばらく散歩を続けると、池の向こうに城が見えてきました。池の水面に反射した姿も美しい。日本人にとって、ヨーロッパの「城」と言う言葉からイメージされる建物は、往々にしてドイツやフランスのそれで、ここリーズ城は貴族の館といった風情も感じるシンプルな佇まいです。
中に入ると、過去の所有者達が残した家具や芸術品が展示されており、中でも本棚に並んだ書籍に見とれてしまいました。保存状態はあまり良くないけれど、バルザックやシェイクスピアの全集やThe Book of Beautyと題された大判で背表紙の装飾がキレイな本、Early English Furniture and Woodworkと背表紙に書かれた2冊、中を見て見たいけど触ってはいけません。やはり庭園が好きだったのだろう、ガーデニング関連の書籍(大判なので画集かも知れません)の名前もちらほら見つかります。
城の他にも植木を使った迷路(映画シャイニングに出てくるような)や鳥類園、気球に乗って上空から城の敷地を眺められるツアーなどもあって、ゆっくり過ごせば1日中楽しめるように出来ていました。
再び車を走らせて、カンタベリーの市内へ。イギリス国教の総本山があるため巡礼者の多い街でもあり、観光の街として成熟した場所の雰囲気があります。
最初に向ったのは、ガイドブックで紹介されていたパブ。駐車場を探す間、友人夫婦には先に店に入っていてもらい、駐車場でパーキングメーターで支払いをしようとすると、小銭が足りない。どこかで小銭をつくれる場所はないかと、同じくパーキングメーターのところに来た上品そうなオバサマに尋ねると、なんと足りない1ポンドコインをくれると言います。その親切に驚き、何度もお礼の言葉を述べながら、料金を払い終えました。
イギリス人って、やっぱり他のヨーロッパ人とはちょっと違います。
ロンドンで美味しいフィッシュアンドチップスに出会えなかったというエイコが、再度フィッシュアンドチップスにチャレンジ。それぞれ違う料理を前に、それぞれ違うビールを片手に乾杯しました。イギリス料理の前評判通り(フィッシュアンドチップスを除いて)あまり美味しくないけど、楽しい食事の時間を過ごした後、大聖堂へと向いました。
大聖堂の前の広場には、ガイドさんの説明に聞き入るグループやギターを奏でる若者などがごちゃごちゃっと集っています。周囲の建物はヨーロッパでもイギリスでしか見る事が出来ない独特のデザイン。映画ハリーポッターに出てくるような感じ。道端のゴミもなく、キレイに清掃されているのが、一見の客である僕たちまでも居心地良くさせてくれます。
左右の建物に挟まれるように建つ、城門のような入り口をくぐって中に入ると、大きなロマネスク・ゴシック折衷様式の大聖堂のグレーの建物で視界がいっぱいになります。
大聖堂内部は内と外の二重に教会が造られたような不思議な構造。教会に入ったのに、また教会の建物があるように見えます。内部にある教会に見えるのは、中心部の礼拝堂。訪問客は入る事の出来ない礼拝堂内では、聖歌隊が練習をしていました。
トマスベケットという主教が暗殺された事でも有名な大聖堂なので、暗殺のあった場所にモニュメントが立っていたり、礼拝堂内にもトマスベケットにまつわる場所がいくつもあります。11世紀にまで遡る納骨堂もある大聖堂内部をぐるりと見学して、外に出ます。
再び街を歩き、今度はアウグスティヌス修道院跡を見に行きます。残念ながら遺跡は定休日で閉まっていたため、塀の隙間から覗き見るだけでしたが、ここまで来る間に眺める町並みはとても美しく、煉瓦と白壁と瓦屋根とがリズミカルに並ぶ中を、カラフルなドアや庭から溢れるようにせり出すモクレンなどを眺めていたら、飽きる事がありません。
気がつけば、エイコとハルの夫婦は帰りの電車に乗らなければならない時間になっていました。駅まで二人を送り、電車を待つ間、お互いが撮った写真をデジカメで再生してみました。さっき撮ったばかりの写真でも、なんだか懐かしい感じがするのは、久しぶりに会った仲間同士だからかも知れません。間もなく到着する列車に乗るため、ホームに吸い込まれて行く二人を見送ったら、ちょっとだけ感傷的な気分で再び海峡を越えるユーロトンネルに乗るためにフォークストーンに車を走らせました。
ども!
それにしてもよくかかれているなぁ~このブログ。
どのガイドブックより詳しい。
私もこのブログ読んでから旅行したかった。(笑)
また地球のどこかで会える日楽しみにしてるよ!!
それまでお互い元気で!!
余談:今見るとよく飛んでるね。マサイ族か。
コメントありがとう。
またどこかで一緒に旅行したいねー。
おでん美味かったよ。マラガで雨降りの間、借りたアパートに閉じこもっていて、頂いた食品は全部食べました。
あ、今回インドは行かない事にしました。別の機会にじっくり旅行してみます。
おでん缶よろこんでもらえてなにより。
カンタビリーの町並みは本当綺麗でしたね。
写真も綺麗に撮れてて、さすが!
もっとゆっくり、お酒でも飲みながら話す時間があったらよかったけど、
それはまたの機会ということで。