翌朝5時ごろに起きて、今度は朝日を観賞。夜以上に寒いのでフリースの上にダウンジャケットを着込んで、ホテルの外へ。ウユニの方向にある山の向こうから、滑り出すように太陽が出てくるのが分かりますが、日没と比較して時間がかかるように思えます。辺りが明るくなってもなかなか姿を現さない太陽にしびれを切らしつつも、カメラを構えて待っていると、山の谷間からようやく見えてきました。
ほんの一部だけが見えたかと思うと、あれよあれよと言う間に丸い全体が現れてきました。
朝食をホテルで食べてから、塩のクリスタルを採りに出かけました。
塩湖の硬く固まった表面の下には、乾燥していない塩水の層があります。その塩水の中で時間をかけて結晶化した塩の塊は、大きなものでは1辺が2cmくらいの立方体をしていて、さらにいくつもの小さな立方体が重なるようにくっついています。
塩湖に空いた(おそらくは誰かが掘った)穴に手を突っ込むと、今自分のいる地面の裏側辺りの水中にたくさん四角い塊がくっついているのが分かります。そのほとんどはがっしりと固く張り付いているので、そのままでは採ることが出来ませんが、手探りであちこちを触っていると、ぐらぐらと動くものがあります。それを塩水の中に落とさないように、ぐっと力を込めてもぎ取るようにするとキレイな結晶を採ることが出来ます。
前日にいくつかは手で取ったのですが、この日はみんなでホテルにあった金槌や釘などを借りて持ってきました。道具があるとたくさん採れます。
夜中に風が強かったせいか、地面の様子が違って見えて、前日見つけた穴を見つけることが出来ません。かわりに小さな穴を見つけたので、そこから採掘開始。穴が小さくて一人しか手を入れることが出来ないので、その穴の近くに別の穴を掘るべく、塩の地面を金槌で掘り起こします。
あらかじめ空いている穴は、塩の固まった地面の部分が薄く見えるのですが、自分たちで掘ってみるとなかなか水が見えてこない。30分ほど掘り続けると水が染み出てきましたが、そろそろ出発の時間が近づいてきたためギブアップ。途中まで空いた穴の前で記念撮影をしてホテルに戻りました。
採り出したクリスタルは、大きなものは売店で100円くらいで売っていてもおかしくなさそう。いくつも採った中から大きくてキレイなものだけをお土産に持って帰ることにして、みんなで山分けしました。
そんなことをしているうちに、今日でウユニに戻るSさんだけお迎えが来ました。その日1日だけのツアーに便乗して、イスラデペスカドという塩湖の真ん中にある島で観光をしてから、ウユニへと戻ることになるそうです。とても気の合う仲間だったので、別れを惜しんでまたもや記念撮影。
1時間くらい待っていると、僕たちの迎えのランクルもやってきました。前日のドライバーと同じノエルおじさんが新しいメンバーのスウェーデン人カップル、サイモンとロッタを乗せてやってきました。
サイモンとロッタは大学の授業が全部終ったこの時期を利用して、3ヶ月かけて南米をまわるそうです。旅をしているとこういった欧米人に多く出会うことになり、普段は慣れない英語を使って会話に入り込んでいくのにやっとですが、今回は立場が逆です。日本語のやり取りに(もちろん)ついていけないスウェーデン人ふたりが、英語で会話に割り込んでなんとか僕たちの会話についていくという珍しいグループの出来上がり。