僕たちがベッドに入った後もしばらく談笑していた別の2チームと、夜中に誰かが車で音楽をガンガンにして聴いていたのとで、あまり良く寝つけなかったまま朝を迎えました。
遅くまで騒いでいたにも関わらず、他のチームの起床はなぜか僕たちよりも早く、まだベッドに入っている人もいる間に慌ただしく出発していきました。
昨晩の煮え切らない夕食を引きずって、あまり美味しく感じない朝食を食べた後、出発しようとしていたらフランス人ばかりのチームの車でトラブルが発生です。どうも夜中に音楽をガンガンかけていたのは、そのチームのドライバー。朝起きてみたら、コカの葉とお酒でとてもドライブを任せられる状態ではなかったそうで、大丈夫だと言い張るドライバーとの間で揉めています。
最後はドライバーが引き下がり、唯一運転できるフランス人男性が運転を代わりにすることで納まったものの、道なき道を行くツアーではドライバーの経験なくしては目的地に到着することもままなりません。
結局僕たちの車が先導して、ルートを案内することに決まり、出発しました。
ノエルが車2台分の神経を使って走るその日のコースは、最初に標高5,000mにある間欠泉(お湯が吹き出ているわけではない)を通って、日本の援助を得て作られた温泉に到着。その後ラグーナベルデという緑色の湖を観てから、チリ国境でチリ側のバスにバトンタッチという予定です。
前日のラグーナコロラダ同様、寒くて観光どころではない間欠泉は、朝日にもくもく立ち上る湯気が印象的。危ないと言われていた温泉に敢て近づいて中を見てみると、お湯ではなく泥のようなものがぶくぶくと沸騰しているのが分かります。
次の温泉は、4,000mまで下がってきたのですでに気温は暖かく、あらかじめ水着を着てきたモトさんとカオリさん、サイモンとロッタは全身浸かり、僕たち2人は足湯で温まりました。どこをどう日本が援助したのかは謎ですが、広い湖を前に露天で浸かるお湯は、少し温度が低めなものの相当気持ちよいらしく、サイモンとロッタは大はしゃぎしていました。足湯だけでもそれまでのツアーの疲れがすっと引いてゆくように感じられ、来た甲斐があると言うものです。
フランス人たちは併設のカフェでコーヒーをすすっただけで、温泉には触れようともせず。なんだか国民性が出ているなぁと感じます。
最後のラグーナベルデは、あっと驚くほど本当に真緑。僕たちが訪れた時にはターコイズ色に見えましたが、時間と風向きによって色は変化するとのこと。風がないと真っ白に見えると言うのも不思議です。他の湖にはフラミンゴが生息していますが、このラグーナベルデは水に含まれるミネラルのせいで、フラミンゴがいない。確かにすぐ隣のラグーナブランカには、たくさんのフラミンゴが水に頭を突っ込んでいるのに、ラグーナベルデには一羽も居ませんでした。
ラグーナベルデから30分ほどでチリ国境です。掘っ立て小屋が1軒建っているだけの淋しい場所ですが、他のチームのランクルからバスに乗り換える人で賑わっています。ここで、これまで僕たちを案内してくれたノエルと、再びウユニに戻るサイモンとロッタとはお別れ、僕たちとモトさん&カオリさん夫妻でチリのサンペドロデアタカマまでバスに乗って行きます。