パリまでの移動を急いだのは、フィンランドへ行く飛行機に間に合わせるためでした。
シャルルドゴール空港を飛び立ったフィンエアーの機内は、小さなエアバス機に多い、ビジネスクラスでもエコノミーと同じサイズのシート。損をした気分になります。以前フィンエアーに乗った時に機内食がとても美味しかった記憶があるので、期待に心躍らせていると、出てきたのは鱈のクリーム煮。ゆんじょんは美味しそうに食べていました。魚が苦手な僕は、CAに頼んでわざわざエコノミーのチキンナゲットを持ってきてもらって食べました。
パリからは、まずフィンランドの首都ヘルシンキの空港に到着。そこで北極圏のラップランドにあるロヴァニエミまでのフライトに乗り換えます。極寒の空港ならではの風景でしょうか、パーキングしている飛行機の羽の部分に、凍結防止剤のようなオレンジ色と緑色の液体を噴霧しているが珍しく、ついつい見入ってしまいました。
ヘルシンキでの離発着では、市内に雪の積った場所がちらほら見えていただけですが、ロヴァニエミ空港では辺り一帯が雪で真っ白です。空港も滑走路を除いては雪が積っており、その中を飛行機が走って行くというのは、生まれて初めての体験でした。
サンタクロースの故郷として売りにしている町だけあって、空港の中からすでにたくさんのサンタクロースやトナカイのイラストやらぬいぐるみやらが出迎えしてくれます。空港のロビーにはサンタクロース村やサンタクロースパークなどのパンフレットがいっぱい。
国内線しか飛んでいない空港なので、特にパスポートチェックも無く、スムーズに出てきた荷物を受け取って外に出ると、目の前の駐車場に雪が50cmも積っていて、北極圏に来た!という感動と同時に、鋭い寒さを感じます。
ホテルは町の中心部にある、その名もシティホテル。割りと簡素な設備と、北欧の人には狭過ぎるのではないかと思える広さで、一泊184ドル(約18,560円)は痛い出費です。それでもネットで探して一番安かったのが、ここ。朝食だけは驚くほど、今回の旅行で最上級とも言える、種類が豊富で美味しいビュッフェを満喫出来ました。宿泊費の痛手は、その他の食費を出来るだけ削って耐え忍ぶしかありません。
翌日、すぐに近所のスカンディホテルに向いました。今回のフィンランド滞在の目的はオーロラを観る事。そのためのツアーを催行する日本の旅行会社が、そのホテルにあるのです。オーロラは宇宙空間で起きている現象なので、天候の善し悪しに関係なく、太陽の活動に応じて発生しますが、空が晴れていなければ地上から観る事は出来ません。
最も発生しやすいと言われる春分の時期を狙って来てみたものの、曇りがちな空を見ながら、心配は絶えませんでした。天気予報に応じて午後になるまで催行するかどうかは決定されません。直前までキャンセルが出来ると言う条件を聞いて、とりあえず予約だけは入れておきます。
昼間は、オーロラツアーの準備に時間を費やしました。カメラがあっても三脚がなければ撮影出来ないので三脚を買い、ゆんじょんの手袋が無いので、それを求めて何軒も店をはしご。ホテルに戻っては、ネットで天気予報を調べたり、防寒具が足りるかどうか確認したり。そうこうしているうちに、夜になりました。
8時に集合場所のスカンディホテルに着くと、たくさんの日本人観光客が集っていました。今日のツアーは、総勢53名。大型バスも満席です。子供からオジサマまで様々の人が参加します。日本人が20数名に対して、別のホテルで乗車するタイ人のグループが30数名。バスの中は日本語とタイ語が飛び交う不思議空間になりました。