十分に時間をとることの出来なかった、大都会ニューヨークを別れを惜しんで、トロントに降り立った僕たち。トロントから1時間ほどの距離にあるアンカスターにいる友人のヒョジョンが空港に迎えに来てくれていました。
車を持てるのはよほどのお金持ちに限られるニューヨークとは反対に、車が無いと一日たりとも生活が出来ないようなところです。1週間お世話になる家には、友人夫婦と双子の男の子が住んでいますが、日本の住宅事情から考えると贅沢極まりない大きな家です。
ニューヨークで頑張りすぎたのか、カナダで緊張が解けてしまったのか、風邪をひいたらしく最初から調子が良くない。
のどが痛いなぁと思っていたら、熱が出てきました。カナダではトロント市内を少し観光するのと、ナイアガラの滝を見に行くくらいしか予定がなかったので、一日安静にしていれば治るから、それから行動を始めようと考えました。
翌日には快調になったので調子付いて近所の滝を見に行くと、これが結構タフなハイキングルートです。滝の周りでは映画の撮影準備をしていて滝を見ることは出来なかったものの、メープルの落ち葉が散らばる景色は素晴らしいものでした。
翌日トロントの観光へ。車で20分離れたハミルトンという少し大きな町からバスが1時間で繋いでいます。ガイドブックでいろいろ調べたものの、あまり興味を引く場所がなかったので、まずコリアタウンへ。しばらく放ったらかしにしていた髪を切るのが目的です。
韓国に行った時に食べ損なったジャジャ麺を食べ、日本語の看板の出ている美容院に入ります。予約が一杯だったにも関わらず日本人スタッフが切ってくれることに。美容院は韓国人の経営。紫色の壁に昭和を彷彿とさせる設備。勇気が要ります。でも仕上がりはそんなに悪くない。
続いてディスティラリー地区という蒸留所をおしゃれに改造したようなエリアに遊びに行きますが、向う途中からのどの痛みが復活します。だんだん具合が悪くなってきて、着いてまもなくアンカスターに戻ることにしました。
無理が祟ったのか、また熱。その翌日には熱の他に生まれて初めて血便が出たので、焦って病院に駆け込みました。病院はハミルトンのSt. Joseph’s Healthcareという大きな総合病院ですが、救急受付で1時間。受付してもらってからさらに2時間半。はっきり言って「救急」の意味がありません。
それほど忙しそうに見えないナース達は、誰もがイライラしています。中には八つ当たりとしか思えないような酷いナースもいます。病院に着いて3時間過ぎた頃、熱のせいで体の痛みが酷く、座っていられないのでベンチに寝転がると、椅子が足りないから座っていろと言われました。どう見ても待合室には患者の3倍くらいの椅子があるのに。ゆんじょんが抗議してそのまま寝ていると警備員を呼んできて強制的に座らされることに。
また、もうすぐ4時間経つのに何時になったら診てくれるのかと訊くと、まだ4時間も経っていないだの5時間待つ人だっているだのと、子供の言い訳か!
ここの病院にとっては患者の様態が良くなることより、ナースの気分のほうが優先されるようです。