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2008-05-242022-02-11

ガウディ三昧(2)

続いては、カサバトリョ。通りに向って大きく口を開けた魚のような姿の建物。外装に取り付けられた柱やバルコニーのデザインが骸骨のようで、夜に独りで見ると恐ろしく感じるかも知れません。建物のすぐ近くからでは分かりにくいのですが、正面の外壁にはタイル張りの装飾が施されていて、美しい色彩で日光を反射しています。
入り口を入ってすぐにある階段が、やはり魚の背骨を想像させる形で作られています。ジュルヴェルヌの物語に刺激されて作られたとも言われ、外装から内部まで極限まで直線や角を使わないデザイン。現在も人が住んでいるとは思えません。自動車デザインのような、コンピュータで描いた無機的な曲線ではなく、人が手を使って何度も線を描き、石や木を削り、手のひらで繰り返し整えられる事で、ようやく辿り着く事の出来る形です。

ともすれば、趣味の悪い手工芸品に陥ってしまいそうなのに、細かい部分の完成度にまでこだわって作られていて、全てが高い次元で調和しているのは、素晴らしいとしか言いようがありません。吹き抜けの青いタイルのパターンが、階段の踊り場に設けられた波打ったガラスを透して見える様は、ダイビングをしながら水面を見上げている時を思い出しました。とても奇麗ですが、こだわり方が半端じゃなく、作業を考えると気が遠くなりそうです。この建物の屋根裏も、放物線の壁が連なった構造です。真っ白に塗られた壁が作る、曲線のグラデーションの間を除くと、建設当時を彷彿とさせる洗濯桶などが置いてあって、奇妙なコントラスト。
カメラを手にしたゆんじょんは、あっちでパチリ、こっちでパチリ。建物の裏側にあるテラスから、屋上、階段、エレベーター、どこを撮っても絵になります。屋上につくまでほとんどお互いに言葉も交わさず、あちこちを探検するので精いっぱい。

次に訪れたグエル邸は、修復工事中のため内部を全部見る事は叶いませんでした。1階のエントランスホールの一部と、地下の馬小屋だけが解放されていて、スライドショーで現在見る事の出来ない各階の内装を展示しています。
車が一台通るのがやっとの、狭い通りに面しているため、通りの反対側にはたくさんの人が、口を開けて上を見上げています。外観からして、他の建物とは一線を画するシックで落ち着いた雰囲気。気がつかないで通り過ぎてしまってもおかしくありません。リボンをひねったような鉄を編み合わせた門や入り口のアーチ、城塞のようなバルコニーのデザインにガウディの特徴が見られます。
ひとつひとつデザインの違う20本の煙突が、一番のアイデンティティなのですが、工事中の今は通りから屋上を見上げると、4つだけ見る事が出来ました。

最後に見たサグラダファミリアは、今もまだ、そしてあと少なくとも200年は建築中。
よく紹介される、4本の複雑に装飾された塔が建つファサードは、3つあるうちのひとつ東のファサード。ガウディの構想では、建物は巨大な宗教コンプレックスとも呼べるような巨大な建造物で、東に誕生、南に栄光、西に受難とキリストの生涯を表す彫刻で彩られるファサードが作られます。現在はすでに大部分が出来上がって、修復作業が続けられている東、現代建築家が彫刻を手がけ、東と全く異る雰囲気の西が完成間近というところ。南のファサードは形すらありません。
東のファサードは、たくさんの彫刻が壁に有機的に絡みつき、荘厳な感じと同時に、ガウディの世界観に引きずり込まれるような危なささえ感じます。キリストの誕生を彫像で具体化して見せる部分もあれば、シンボルとなる蛇や亀で印象づける部分もあり、見ていて飽きません。
それと打って変わって西のファサードは、現代彫刻バリバリといった感じで、シンプルでのっぺりとした(ガウディがそれを望んだと解釈されている)表面に、僕も含めてあまり釈然としない粗削りな彫刻が連なり、がっかりしてしまいました。ガウディを見たいのであって、現代彫刻家の個性ある作品を見るつもりではないんだと憤ってしまいます。

内部はもちろん建設途中ですが、見学出来ます。ガウディの生前とは間違いなく異る、大型機械とコンクリートを用いた作業のため、大きな騒音が鳴り響き、資材が転がる中、塔に登るための2時間待ちの行列。雨も降っていて底冷えするので、待つのを諦め、教会地下にある資料館へ向いました。
スペイン内戦で多くの資料が紛失されてしまった結果、時代ごとの建築家が残された資料を基に推測を重ねて設計を続けており、それらの大小の模型やガウディの手によるデッサンなどを展示しています。
今後解釈が変わるかも知れない完成予想模型によると、現在経っている4本の塔よりもさらに高い、十字架を頂いた塔が中心に建てられる予定で、178mの高さは世界で最も高い教会建築になるとのこと。現在でもガウディの独創性が炸裂しているデザインが、さらに天に向って伸びて行く様は、やはり生きものが成長して行くように感じるのかも知れません。

2 thoughts on “ガウディ三昧(2)”

  1. macky より:
    2008-05-25 19:23

    ガウディ三昧なんて羨ましい~。
    バルセロナは私も大好きな街で何度か行っているけど
    街のあっちこっちにガウディの息吹が感じられてすごいよね。
    ピカソ美術館とかも行った?

  2. Yunjeong より:
    2008-05-26 06:25

    パリでピカソ美術館に行ってたので、バルセロナではガウディとミロだけしぼりました。ピカソは世界各地の大型美術館には必ず作品が展示されてあるよね。因みにマドリッドのソフィア王妃芸術センターで見た「ゲルニカ」には圧倒されました。

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