リマで長距離バスを手配してクスコに向いました。
リマは海岸沿いの待ちなので標高はゼロに近い。反面クスコは山の上に開けた土地にある町で、標高3,399mというから日本では富士山頂付近以外では味わえない高度です。しかも道中4,000m級のアンデス山脈を越えるため、高山病必至。
リマ〜クスコ間は1,000km以上離れています。山越えもあるので、20時間近くバスに揺られることになります。
今回僕たちが選んだのは、Cruz del Sur社の運行する長距離バスで、途中アバンカイという町でストップするだけの特急バス。2種類の座席があって、2階席は140ソル(約5,265円)、1階席は170ソル(約6,393円)。ドライバーが2人で4時間交替で運転するほか、車内サービスをするお姉さんもいます。なんでも揺れを少なくするためにタイヤが8輪だったり、夜中に前方に障害物があるとドライバーに知らせるレーダーや、GPSで現在位置をセンターで把握できるなど、セキュリティやセーフティも特別仕様らしいです。
これまで乗った最も長時間のバスはベトナムでのハノイ〜フエ間で13時間でした。今回はそれより長時間で、しかも高山病で苦しむ可能性もあるので、値が張りますが出来るだけ楽して行こうということで1階席を選びました。1階席は飛行機で言うところのビジネスクラス。シートも幅広で、180度は不可能なものの十分寝られる角度までリクライニングします。途中で出る食事などは特に特別ではないらしい。
予定通りの17:30ぴったりに出発したバスは、リマ市内で渋滞に巻き込まれつつも順調にアンデスへと向います。夜間走行のため、途中景色がまったく見えなかったのが残念。距離を重ねるに連れ、高度も増すためかだんだん寒くなってきます。バスの中ではほぼ強制的にテレビで流れるDVDを見させられ、途中フォルクローレのカラオケ版CDなども流れつつ、寝る時間になるまで車内はにぎやかな感じで進展します。というか、少しやかましい。
脂っこい夕食を終えると就寝時間。真っ暗な車内に、タイヤが地面を走る音と、他の乗客の寝返りを打つ音をBGMに浅い眠りに入っていきます。
高山病の影響が最初に出たのはゆんじょんでした。ふらふらして足腰が立たず、トイレから戻ってきてもちゃんとシートに座ることが出来ません。リマで手に入れておいた高山病の薬を飲んでもあまり効き目はないみたい。ちょうどアンデス山脈を走っている頃だと思います。
シートが良くてもベッドではないので、途中何度も目が覚めますが、僕の方はあまり高山病らしき症状が無い。
そのまま何時間か眠ったり起きたリを繰り返していると、朝になっていました。
朝食後、ドライバーの休憩にあわせてガソリンスタンドで停車した際に、乗客も降車を許されました。短い休憩時間の間に、みな思い思いに、歯磨きをしたり、写真を撮ったり、売店で買い物したり。インディヘナの太ったおばちゃん達は髪を洗っていました。くつろぎ過ぎです。お陰で2つしかない洗面台の前には長蛇の列。
バスは予定を1時間ほど遅れてクスコに到着。
予約していたホステルからの迎えが無かったので、タクシーを捉まえようかとうろうろしていると、旅行会社の人が助けてくれました。なぜならここはリマ以上に英語が通じません。初めて訪れる町はどの国でも警戒心が働くので、相手にそのつもりがなくてもぼったくられないか、トラブルに巻き込まれないか心配になります。旅行会社の女性も最初は突然タクシー運転手との会話に割って入ってきたので、何かコミッションでも取られるのではないかと不安になりましたが、ただ親切なだけのようでした。
ともかく無事にホステルまで到着。旅の疲れをとったら観光に出かけます。
拝啓 耕平さんゆんじゅん様。もう、11月。そちらは、暑いのやら、寒いのやら。心配です。ええー、ゆんさん、高山病に?!大丈夫ですか?おいたわしや。ゆっくりしてくださいね。ええー?!耕平さん、日焼けしたの?ちょっと想像できません。まっ白の顔しか。ひげもはやさなイカンでしょう、そちらでは。ボラれんように、便宜的に。では、6日から名古屋で展覧会です。しばらく拝見できませんが、ゆっくりゆっくりと、安全にまわってください。まー、心配だでかんわ。お母上様にもよろしくお伝えください。では、お元気で。 敬具 北野