アンダルシア州グラナダのアルハンブラ宮殿は、シーズンがずれていても多くの観光客を迎える、南スペイン最大の観光名所。紛失したガイドブックを読んでいる時から、ここに来ないでスペインを満喫したとは言えないと考えていました。
宿泊したホテルは、アルハンブラ宮殿から30kmも離れた山間にあるコテージのようなホテル Hotel Rural Huerta del Laurel。いつものようにネットでホテルを探しましたが、市内のホテルはどこも100ユーロ(約16,322円)以上と驚くほど高く、さらに駐車場を確保するとなると追加で一泊20ユーロ(約3,264円)は必要になります。1日だったら贅沢も出来ますが、数日泊まってじっくりグラナダの街を楽しもうと考えると、僕たちには手の出ない金額。何とか部屋の雰囲気も良さそうで、金額も予算内に落ち着く場所が30kmも離れていたという事です。
到着してみると、これがなかなか良い感じのホテルです。グラナダの市街とは打って変わって長閑なモナチル村は、スペインの景気の良さを反映してか、周辺地域に広がるように新しいマンションやホテルの建設が進んでいて、あちこちで新築リゾートマンションの販売広告を見かけます。それが少々残念ですが、小さな川をまたぐ数本の橋を中心に、テラコッタ屋根が連なる風景や、石畳の狭い広場で地元の人々が集ってぼーっとしている様は、高速道路を飛ばして来た騒々しさを忘れさせてくれます。
山の緑に囲まれ、遠くに雪山を望む景色を見ると、心が洗われるよう。シエラネヴァダ山脈に向う、トレッキングルートのスタート地点ともなっているため、杖を手に、リュックを背負ったハイカーの姿もちらほら。
部屋の広さも設備も雰囲気も申し分ないし、気がつけば玄関のドアにミシュランガイドのシールが。世界一権威のあるガイドブックのお墨付きな物件でした。部屋で昼寝をして移動の疲れをとったら、村の中心のスーパーへ買い物に。
地元のハム、チーズ、ワイン、パン、スペインならどこでも買えるオリーブの酢漬けなどを買い込んで、ホテルの部屋で夕食。ほっとします。
翌日早速アルハンブラ宮殿へと向いました。
宮殿付属の駐車場に車を停めると、結構寒い。僕たちはTシャツにCrocksのサンダルという恰好。周囲を歩いている人の姿を見ても、明らかに僕たちよりも厚手の洋服を着ています。焦ってホテルまで再び戻り、フリースを持ち、サンダルをスニーカーに履き替えて再度チャレンジ。30分ほどですが、太陽は瞬く間に頭上にやって来て、今度は少し暑く感じます。
シーズンオフにも関わらず、入場券売り場は長蛇の列。入場券の販売は、午前の入場と午後の入場とに別けられていますが、本日の午前の入場券は完売。午後2時から入場出来る入場券しか売っていません。それでもと思って並んでいてもなかなか列は前進しない。
人々を観察していると、列に並んでいる人々の他に予約済みの入場券を受け取るための、機械の置いてあるコーナーもあります。ひょっとしたらと思い、予約済みの機械のコーナーまで行き、係の人に訊ねると、通常より手数料分高くなるけど、すぐに機械で購入出来るとの事。最初から教えて欲しかった。すぐに2枚の入場券を購入出来ました。
それでも2時までは入場出来ないので、入場口までの道を歩きながら、途中のバルで腹ごしらえ。生ハム以外何も入っていないシンプルなサンドイッチに、地元産のアルハンブラビールがぴったり合います。
入場口にどんどん進むと、入場券のチェックなどなく、そのまま宮殿の城壁内に入ってしまいました。宮殿内の主要な遺跡にアクセスする時だけ入場券のバーコードを読み取る係の人がいるという仕組みです。なんともややこしい。これを知らずに、入場券売り場の付近で2時になるのを待っている人がどれだけいたことか。