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2008-07-022022-02-11

コインブラのパレード

コインブラはガイドブックで簡単に触れられていたのを読んで、立ち寄ることにしました。歴史のある大学が有名である事以外、何も知らずに到着しましたが、ホテルのフロントでもらえるガイドマップで大体の事は分かります。
昼過ぎに到着した僕たちは、まずは腹ごしらえをしなければと、たまたま通りがかったイタリア料理屋で食事。本場のイタリア料理を知ってしまうと、何を食べてもパッとしない。

食後に市内を散歩。カフェで世間話に夢中のおじさん達や、誰もいない教会の前などを通り過ぎ、町の中心部に差し掛る。他の場所は閑散としているのに、ここだけは人が多い。歩道の隅で座り込んで何かを待っているかのような人々。不思議に思いながらも、さらに歩き進んで行くと、大変な人だかりに出くわしました。

かつては首都でもあった時代もあるコインブラ。その首都に1290年に設立されたコインブラ大学は、スペインのサラマンカ、フランスのモンペリエに続いて、世界で3番目に古い大学。現在も2万人以上の学生がここで勉学に励んでいます。
大学は町の中程に位置する小高い丘の上。所々磨り減った石畳の上を、汗をかきながら坂道を登り切ると、大学を中心に発展してきたという町の全体が展望できます。旧大学と呼ばれる一角が観光客向けに公開されており、ツーリストオフィスでチケットを買って見学する事が出来ます。広い中庭を中心に法学部の校舎が囲み、その一角に大学の象徴でもある時計塔や図書館、教会などが残されています。

撮影禁止のサンミゲル礼拝堂は、その色鮮やかな内装にアッと驚かされます。
ジョアニナ図書館は中世からずっと保管されている30万冊の蔵書を、教授や大学院生であれば申し込んで閲覧する事が出来る神聖な場所です。木製の書棚が中国風の絵や金泊で彩られており、ひっそりと息をし続ける本達が、こちらの様子をうかがっているように感じる。
図書館にはコウモリが棲んでいて、このコウモリ達が夜中に本に集る虫たちを食べてくれます。朝には再び隠れるコウモリ達。彼らの糞からデスクや絨毯などの調度品を護るため、毎晩シートを掛けるのが管理人の役割のひとつだとか。
それ以外にも旧大学の建物内を見学して歩き回る事が出来ます。帽子の間と呼ばれる講堂のような場所では、ふたりの生徒が論文発表のリハーサル中。今は学生もPowerPointを使うのだと知って驚きました。

到着初日に僕たちが遭遇したのは、このコインブラ大学の卒業パレード。学部毎に異なる色の花紙で飾られた、山車(4トントラックの荷台)を取り囲む騒がしい集団が、何組も大通りの坂を下りてきます。大声で歌ったり、気勢を上げたり、今日だけはコインブラの町は彼らに占領されてしまったようです。
商店街へ続く曲がり角は、騒ぎがひとまわり激しくなるスポット。トラックがやって来ると山車の上の生徒が振る舞う飲み物や食べ物に、地元の人々が寄り集まって手を差し出す。中にはビールやウォッカなどのアルコール類も含まれていて、山車の上の生徒の何人かは既に酩酊状態。ぐらぐら揺れる荷台から、ただでさえフラフラの生徒たちを振り落としそうになりながら、山車はゆっくり先へ進みます。

救急車のサイレンが聞こえたかと思うと、僕たちのすぐ近くで停まりました。酒を飲み過ぎ倒れた生徒を抱え上げ、担架に乗せて運んでゆく救急隊員たち。次から次へと救急車がやって来ては、生徒を担いで病院へ運んでゆきます。僕たちが歩いている2時間ほどの間に、10回以上目撃しました。
生徒が倒れるのは、飲酒のせいだけではありません。乾燥した空気に、照りつける太陽は痛いほどで、僕たちも水を探してうろうろ。道端の露店ではビールしか売っていないのには参りました。ようやくマクドナルドでミネラルウォーターを手に出来た時には、すっかり疲労満面。

集る見物客や救急車のおかげで、パレードは何度も停止します。しばらく曲がり角付近で待ち受けていたのですが、なかなか先が進まないと観念して、坂を登って行きました。それぞれに趣向を凝らした山車は、数えられただけで69台。僕たちはここで草臥れてしまって、ホテルに戻りましたが、パレードはまだ終る気配が無かったので、もっと多くの学部があるのかも知れません。どの山車も騒がしいですが、見ていると楽しそう。道端で見物する地元の人々も、迷惑そうな顔をしつつも、笑っている。

翌日の夜、ポルトのホテルでテレビを点けていると、ニュースで度を過ぎたコインブラ大学のお祭り騒ぎに関してのレポートがありました。パレードの後も学生たちのどんちゃん騒ぎはつづき、クラブや屋外で飲み明かしたそうです。救急隊員にとっては、一年で最も忙しい一日であったに違いありません。

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