しまちゃんとLOLOの夫婦は一昨年前にバリ島に遊びに行った時に、ゆんじょんの友人から紹介されて出会ってからの友人。バリ島と日本の間なのでなかなか会う機会はないけれど、なんだか随分前からお互い知っているように感じる友達です。しまちゃんは旅行会社に勤めているので、バリ島に着く前からホテルを探してもらったり、ダイビングショップを見つけてもらったり、食事に連れていってもらったりとお世話になりました。
今回のバリ島のハイライトは、しまちゃんがバリ島に移住する前からボランティア活動をしていた小学校に行くこと。ちょうど日本から届いた品物を届けに行くという話があったので、便乗してお邪魔してきました。
バリ島の北端シガラジャにあるレス村には、ホテルのあるクタから車で3時間ぐらいかかります。LOLOのお父さまは村長さんなのですが、そのお父さまのお願いで道中マクドナルドに立ち寄ります。なんでも村にはマクドナルドが無いので、村人に頼まれてデンパサールで買って持って行くらしい。段ボール箱一杯のフライドチキンの香りを載せて山道を越えてゆきます。
小学校に着くと子供たちがすっかり待ちくたびれた様子で集ってきました。皆おそろいの制服を着て、元気はつらつ、人見知りなどしないようです。しまちゃんがボランティア活動を始めた頃は、制服がなかったり靴を履いていない子供もたくさんいたそうですが、今は少し村が豊かになったのでしょうか、いかにも貧しい感じの子供はいませんでした。
ミカン箱二箱にぎっしりと入った鉛筆やノート、使い古しの帽子や靴、日本にいたら廃品回収にも出せないオモチャや文房具が、この村では宝物に化けます。学校で使う道具よりも生活を優先するため、必要でも買えないものがたくさんあります。校長室で段ボール箱を開けると、待ちきれないのは子供達だけでなく、先生たちも同じであるのが分かります。全ての生徒に分け与えるだけの数がないものがほとんどなので、ほとんどは先生がとっておいて、特別に貧しい生徒や優秀な生徒にあげるそうです。
LOLOが生徒を校庭に並ばせ、全員分数のある鉛筆を生徒達に配りました。しまちゃんがカメラを向けると、餌に群がる池のコイのように我こそはと集ってきます。子供たちはみな純真な眼差しで写真に写っていました。写真は品物を送ってくれた人に届けられるそうです。
数年前、東京・亀戸でジンバブエだかナミビアだかに洋服を送るためのチャリティーがあった際、当時不要だった洋服を預けました。本当に貧しい人々の手元に届くものか不安でしたが、不用品を処分するチャンスとばかりに大量に渡したのを思い出します。
世界一周旅行に出発する前に、たくさんの生活用品や洋服、画材などを捨ててしまったことを後悔しています。電化製品などの多くは買い取ってもらえる先があったのですが、洋服などで廃品回収に間に合わなかったものは可燃ゴミとして出してしまいました。あの時しまちゃんの事を思い出していたら、バリ島で役立つものがたくさんあったはずなのに。
アフリカの貧困国と比べれば遥かに豊かなバリ島ですが、経済大国日本には全く及びません。どんなルートでどうやって手渡されるのかも分からない相手に無闇に送り付けるのではなく、誰が受け取り、誰が手渡すのかが明らかで、受け取った子供たちの笑顔が写真になって戻ってくる。自分より貧しい人々にモノを与えるボランティア活動のあり方としてはとても分かりやすく素敵だと思いました。またただゴミを処分するのではなく、何を贈れば喜ぶのかをよく考えることも必要だと気付かせてくれる。自分も何が出来るのかを早速考えることにします。
日本の知らない人の親切に触れ、鉛筆一本だけでも笑顔一杯の子供たち眼差しは、今回のバリ島旅行の強い思い出になっています。