アユタヤーでやることが無くなったので、宿のおばちゃんに見送られつつ、スコータイへ向けて出発しました。
スコータイはアユタヤーと並んでタイの遺跡観光の名所のひとつです。アユタヤー王朝以前の遺跡が狭いエリアにたくさん見つかっているところです。移動は列車で4時間のピッサヌロークという町まで行き、その後バスに揺られて2時間で到着です。
ピッサヌロークからスコータイまでのバスが、ここまでの旅行で最低ランクに値するほどのオンボロでした。もともとバスはツーリスト用のバスを多く利用していたので、ローカルバスで短距離のものは初めて。エアコンなどはもちろん不在で、天井に付いた扇風機も1/3は故障。薄っぺらいシートは長時間であれば間違いなく腰を痛めそうです。到着は1時間後と聞かされていましたが、バスのスピードが遅いのと、途中の停留所で何度も人の乗り降りがあるのとで、2倍の時間がかかりました。タイはバンコクのデパートなどは日本のそれを上回る発展ぶりなのですが、地方との格差が激しいようです。
バスターミナルに着くとソンテオに乗り換え。地球の歩き方に載っていたTRゲストハウスまで向います。同じ車に乗り合わせた人は全部フランス人。東南アジアの世界遺産近辺はフランス人がたくさんいます。他の欧米人はどこへ行ったの?というくらいフランス語が飛び交います。
初日に泊まったのは、エアコン無しホットシャワー無しの部屋で200バーツ(約798円)。少し暑いのと、ゆっくりシャワーを浴びられないのを我慢すれば十分過ごせます。混雑しているのか、この部屋しか空いていませんでした。翌日別の宿に変えることを考えて他のゲストハウスをあたってみましたが、取り立てて良さそうなところも無いので、同じゲストハウスでエアコンの部屋に変えてもらう事にしました。
翌日早速遺跡巡りします。遺跡は町の中心から外れているのでソンテオで遺跡まで移動して、そこからはレンタルサイクルで。
40バーツの入場料を払って城壁内に入ると、何やらキレイに整備された公園のようになっています。アユタヤーも同じでしたが、どうも整備されすぎた遺跡は見応えが足りないように感じます。例えるなら犬山明治村のような感じ。
スコータイ遺跡には巨大な仏像がいくつかあります。ぼろぼろに崩れたままで漆喰の下のレンガをむき出しにした建物と、修復されてキレイになっている仏像は奇妙な対照を成しています。遊行仏もスコータイ時代に起こったタイの仏教美術の特徴で、体をねじっておかしな方向に向って歩き出しそうな仏像やレリーフがあちこちに見られます。いずれも肩から指先にかけての滑らかな曲線が、中性的な印象。巨大な仏像も、指先がとてもキレイなフォルムです。
結局有名な見どころは1日で見学できてしまいました。世界遺産に登録されているのは、10数キロ離れた地点にある別の町の遺跡も含まれるのですが、スコータイ王宮のあった城壁内とその近辺で僕たちの遺跡巡りはおしまい。予定をすこし早めに切り上げてバンコクに戻ることにしました。
いよいよ明日は香港行きの飛行機に乗ります。東南アジアを離れるのは少し淋しくもありますが、世界一周した最後にまた再び訪れる機会があるはず。