フランス東北部の国境沿いにあって、フランスの文化とドイツのそれとが行き来する場所。食べ物も言葉も隣国の強い影響を受けているため、フランスにありながらドイツ的な特徴を持つアルザス地方。以前から興味のあった、2つの都市に足を伸ばしました。
ミュンヘンからストラスブールまでのドライブは、あっという間の気がします。変化の乏しい高速道路を走り続けると、気がつけば国境手前の大きなショッピングセンターの明りが見えてきました。地図上にしか存在しない、そしてヨーロッパのシェンゲン領域が出来た現在では、あまり意味を成さなくなった国境をまたぐ前に、物価の安いドイツ側で夜飯の買い物を済ませました。
大きな安売りスーパーには、フランスからやって来る客も多くいるようで、あちこちでフランス語のささやきが聞こえてきます。
ライン川に沿ってある国境に渡された橋を越えればすぐにフランスに入国。ヨーロッパ橋という名のその橋を渡り切ったすぐ右に予約したFormule 1があります。
一晩明けて街の中に繰り出してみました。街の中心とも言える大聖堂の隣に駐車場所を見つけて、付近を散歩。パン屋で久しぶりの美味しいクロワッサンを食べたり、ワイン屋を覗いたり、土産物屋をひやかしたりして歩いていると、小さなオペラ座の前に広がる市場に出くわしました。
洋服からチーズまで何でも揃う市場で、パンと乾燥トマト、小さなピーマンにチーズを詰めたもの、セップ茸のマリネなどを買い込んで、お昼ご飯の準備。プチフランスと呼ばれる地区では、運河に囲まれた古い可愛らしい街並みを散歩しながら、たくさん写真を撮りました。
昼過ぎには次の目的地のコルマールに到着。Formule 1にチェックインしたら、早速先程買い込んだ食材でお昼ご飯を済ませ、移動続きだった数日間の疲れのためか、ぐっすり昼寝。
コルマールは、アルザスワインの産地として、そしてストラスブール同様、アルザス特有の可愛らしい町並みで知られています。街の中には中世の頃から建ち続ける古い住宅や教会などが、大切に保存され、今でも建築時の目的のまま使われています。
翌日はローザンヌの近郊に住む友人の所に行くことになっています。お土産として持って行くため、コルマールの近くにあるワインカーヴにワインを買いに行きました。アルザス地方のワインは、ドイツワインで良く使われるRieslingやTokayなどのブドウの品種で作られることで、他のフランスワインとは一線を画しています。味もどちらかというとあっさりした辛口のものが多く、ブドウ品種から白ワインが中心。何十種類も並ぶワインリストの中から、ソムリエに教えてもらいながら5種類ほどをテイスティングしました。
少し値の張るものが、やはり美味しく感じ、気に入ったRieslingを2本、Pinot Noirの赤を2本ケースに詰めてもらいました。その後スイスまでの国道沿いは、しばらく右も左もブドウ畑が続くのどかで変化に富んだ風景が続き、最高のドライブが出来ました。