オランダのアーネムは、ドイツとの国境を越えて1時間ほどの小さな街。
ドイツとの国境を越えた途端に渋滞が。長い渋滞の列に従ってゆるゆると着いてゆくと、ヨーロッパに来て初めて国境検問がありました。検問は三人のパスポートをチェックしただけで終わりでしたが、何も悪いことをしていなくてもパトカーにサーチライトで停車させられるのは、ドキドキして、少し嫌な気分です。
アーネムから20kmほどばかり離れた場所に、その日のホテルが予約してあります。
Campanileというフランスのホテルチェーンのひとつです。いつも宿泊するホテルより、少し高めの金額ですが他に安いホテルが見つからなかったため、そこにチェックイン。そしてホテルのレセプションは、常ににこやかにどんな些細な質問や依頼にも応対してくれるので驚かされました。
品の良い感じのする住宅街の向こうに、スーパーなどが並ぶ商店街があります。スーパーの品揃えは日本の高級スーパーを彷彿とさせる素晴らしさで、ついついあちこちに目移り。もちろん総てオランダ語で書かれているので、食べ方の分からない食品などもありますが、僕たちの目にはどれも美味しそう。そして健康に良さそうに映ります。実際いくつか買い込んだものは、どれも美味しくて、それだけでこの街が好きになってしまいました。
ショッピングバッグや店内の装飾も、程よくデザインされていて、これまで訪れたどの国のスーパーよりも素敵です。オランダの生活水準の高さを想像させます。
寝心地の良いベッドでよく睡眠をとった後は、スケジュールのやりくりのためと居心地の良さに、追加で一泊することをレセプションに伝えました。
今日はユトレヒトとキンデルダイクまでショートトリップです。オランダは国土が狭いので、どの地方に行くにもたいてい2〜3時間も車を走らせれば到着します。片側3車線ある高速道路も良く整備されていて、走っていてもあまり疲れません。
ユトレヒトでは、ディック・ブルーナの美術館へ行ってきました。うさぎのミッフィーが有名な作者ですが、本の装丁やポスター、ロゴマークのデザインなどの仕事でもとても質の高い作品を作っている、今もまだ現役のデザイナーです。ミッフィーはともかく、デザイナーとしての作品にはとても感心させられました。落ち着いた色調で、切り絵のように色の平面を重ね合わせた作風は、きっといつになっても色褪せない魅力があるはず。
彼が今も住んでいるユトレヒトは、著名な大学のある場所としても知られていますが、運河と石畳の通りが交差する美しい街です。運河沿いの道を歩くと、雑貨屋、自転車屋、古道具屋などのちいさな店が軒を連ね、その間に1階にも関わらずカーテンを開け放した民家の窓から、住人の生活が垣間見えることもあります。映画館に併設されたカフェでは、皆が談笑しながら土曜日の午後を楽しんでいるように見えました。
次に向ったキンデルダイクは風車が小川に沿って巨人のように建ち並ぶ場所。オランダ観光名所のひとつです。ユトレヒトでゆっくりしたため、キンデルダイクには夕方に到着。車を降りて、三人とも異口同音に「寒ーい!」
ちょっとでも動いていないと凍ってしまいそうな寒さでも、風車の近くに行ってみないことには気が済まないのが、僕たち観光客。小走りで風車を前に次々に写真を撮って、さらに別の風車で写真を撮って、さらに先の風車で写真を撮って・・・と続けるうちに、駐車場から隋分と離れた地点まで来てしまいました。
夕暮れを背景にシルエットになった風車は、僕たちを見おろして歓迎してくれているような気がします。