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2008-08-222022-02-11

セマーとバックギャモン(2)

メヴラーナの霊廟のあるメヴラーナ博物館は、観光客で一杯。外国人より別の地方からやって来たトルコ人のほうが多い様です。鮮やかな緑色をした建物の真下に霊廟があります。メヴラーナだけでなく、メヴレヴィー教団を支えた多くの指導者たちの墓も同じ場所に置かれています。
メヴラーナは詩人としての業績も素晴らしく、多くの詩集やコーランを解説した本を残しています。それら直筆の作品やメヴラーナ本人が使っていた豪華な衣装や道具などの展示もありました。
展示室の真ん中で、ムハンマドの顎髭の入った箱を展示したケースに、皆が顔を近づけて匂いを嗅いでいるのは、髭からバラの香りがするからだとか。嗅いでみたけど、うーんそう言われればそんな気もする感じ。

セマーの修業場も同じ敷地内にあり、当時の様子を再現したマネキンがたくさん置いてあります。地面に埋められた小さな金属を軸にしてぐるぐる回っていたのが分かります。この旋舞、儀式として細かく動作が決められていて、踊っている間に神の領域に近づくことを目的として回転するのです。何とも分かりやすいというか、本当にそれで良いのかと疑ってしまう。小学生が運動会で野球のバットを軸にぐるぐる回ってフラフラになって競走するのと、大きくは変わらないような。

見学をしていると、突然スカーフを巻いた若い女の子に声をかけられました。トルコ語で話しているので全部は分かりませんが、どうやら僕たちと一緒に写真を撮りたい様子。サフランボルに行くバスの休憩所でも、同じバスの乗客から一緒に写真を撮ってくれと頼まれたし、ギョレメでも小学生たちに囲まれて写真を撮ったことを思い出しました。どうやらトルコ人には、アジア人と見ると写真を撮りたくなるような衝動があるようです。
じゃ一緒に撮ろうと、僕とゆんじょんで女の子を間に挟んでポーズを取ろうとすると、おまえは要らないと言われてしまいました。ゆんじょんだけ撮りたかったらしい。なんだか失礼です。
何枚も(!)写真を撮り終わるとお礼を言って、とても嬉しそうでした。

メヴラーナ博物館を出て、もうひとつの見どころ、アラアッディン・ジャーミィへ。街の中心部にある小高い丘の上に建つ寺院です。セルジューク朝の最盛期に建てられた質素な寺院ですが、ローマ時代やビザンツ時代の石材を流用しているため、いろんなスタイルの柱が並んでいて面白い。寺院の裏手にはセルジューク朝のスルタンの霊廟もあります。
寺院に入ろうとすると、サングラスをかけたオジイサンに流暢な英語で呼び止められました。仕事を引退して、毎日ここを訪れる外国人と話をするのを楽しみにしている、寺院の中をガイドしてあげようと言うので、ありがたく案内してもらうことにしました。よほど毎日同じことを繰り返しているのか、立板に水でしたが、寺院の隅々まで見学出来ました。

見学が終ると、もうちょっと話したいとオジイサン。ガイド料だと思って、お茶につき合うことにしました。
このオジイサン、大学で経済学の教鞭をとりながら、政府の経済政策に関わっていたお偉いさん。今では自由経済で、物価は市場が決める時代になりましたが、それ以前は政府が小売りの値段を細かくコントロールしていました。その物価操作のため、トルコ中を飛び回って仕事をしていたと言います。
話題は、現在のトルコの持つ経済や教育の問題や、日本や欧米との違い、政治の腐敗など。アタテュルクのように尊敬される政治家はいるかとの問いに、ハッキリと無いと答えていました。
話が尽きると、バックギャモンを教えてくれました。僕は全くの初心者ですが、ビギナーズラックで勝つと本当に悔しそうにしているのが可笑しい。いつかトルコに戻ってくる時には、バックギャモンでまた勝負しようと約束して別れました。

夕食の時間が近づいたので、再び観光案内所に戻り、ユジェルと再会。僕たちが、安いロカンタが良いとリクエストしたら、ちょっと困った様子。結局彼が行きつけのレストランに行くことにして、コンヤの繁華街を歩きました。オープンして何ヶ月も経っていないと言うレストランは、キョフテを中心とした肉料理の店。前菜のメゼも美味しいし、キョフテもすごく美味しい。肉だけでなく野菜がたくさん練り込んであるので、さっぱりとしています。
ここで僕たちの旅や旅行前の生活、ユジェルの仕事やコンヤでの生活、結婚したがっていることなど、時間を忘れて話し込みました。本当に日本語が上手で、難しい単語も分かってくれる。気がつけばあたりは真っ暗。3時間近く話をしていたことになります。
帰り道、夜遅いのにも関わらず、遠回りすることも厭わず、ホテルまで一緒に歩いてくれました。最後の最後まで本当に優しい。

トルコに来る僕たち観光客は皆、彼らトルコ人達の親切を受け取って感動して帰ってゆくはずです。トルコ人が日本に来た時、果たして彼らは優しさに触れ、感動して帰ってゆくことが出来るのだろうか。経済や文明の発展に伴って、僕たち日本人が失いつつあるものを、地球の反対側にまだ大切にしている人たちがいる。同じ地球に住む人間として、少し誇らしく感じました。

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