パムッカレ(綿の城の意)は、温泉に含まれる石灰分が堆積してできる石灰棚があることで有名な村。ヒエラポリスというローマ帝国の遺跡が残っていることと合せて、ユネスコの世界遺産に指定されています。
ここもやはりシーズン問わず多くの観光客が訪れる場所。ホテルの勧誘のマナーが悪いとガイドブックに注意されていました。
長距離バスが、デニズリのターミナルに着くと同時に、僕たち目がけてホテルの勧誘がやって来ました。でもひとりだけ。たくさん取り囲まれると思って身構えていたのに、エジプトやネパールなどと比べればかわいいものです。こういう勧誘はうまく利用するに限ります。はいはいと言われるままにドルムシュ乗り場まで案内してもらい、荷物を積んでくれたら、さようなら。とりあえず何かあっても大丈夫なように、ホテルのチラシだけはもらっておきます。
予想外に時間のかかるドルムシュに乗って、あと少しでパムッカレ村に到着するところで、やられました。バスが停まり、男が二人乗り込んできます。英語でパムッカレに行く人はここで降りてくださいと言われ、やっと着いたのだと思って降りると、なんだか想像していた場所と違う。ホテルは予約してあるかと聞くので、日本人の経営するKale Hotelに予約してあると答える(本当はしてないけど)。
すると、スクーターに乗って去って行きました。もうすぐ真っ暗になろうとするのに、周囲には原っぱしかないところに取り残された僕たち。騙されたと気がついても、もう遅い。ドルムシュはとっくに走り去った後だし、少し先に村らしき明りも見える。歩いて行くしかありません。
重たいバックパックが肩にくい込み痛くなってきた頃、別のスクーターがやって来て、ホテルに予約してありますか?と聞いてきます。Kale Hotelに予約してあるよと言うと、その人がKale Hotelのスタッフでした。歩きながら事情を説明すると、どうやらドルムシュで置き去りは、最近の新しい勧誘の手口のようです。
ホテルに案内され、パスポートの確認などチェックインを済ませ、いくつか見せてもらった部屋のひとつに落ち着くと、窓からはライトアップされた石灰棚が見えていました。部屋はそこそこ広くて、シャワーが使いにくいことを除けば、居心地はまあまあ。スタッフがとてもフレンドリーなのが安心出来る。30リラ(約2,998円)という宿代なら充分納得のいく条件です。現在日本人のノリコさんはホテル経営を退き、近所で和食レストランを切り盛りしています。ホテルは旦那さんの家族が経営しているとのこと。
外に出て歩いてみると、いろんな人から声をかけられる。レストランだったり、売店だったり、旅行会社だったり。村中が揃って異様なまでに集客に必死なんて、トルコでは初めてです。それだからか、どの店も今ひとつ信用がおけなさそう。
初日で要領が掴めないので、ホテルのロビーを兼用しているレストランで食べることに。和風とトルコ風が交じった感じのドンブリ飯のような料理で、味は美味しいけど、値段がちょっと高め。一皿をふたりで分けて食べると言ったら、オバチャンがちょっとご機嫌斜め。
食後に歩いてみた村は、いかにも温泉のある宿場町という風情。元来この地域には人が住んでおらず、観光客が増えるに伴って、徐々にホテルやレストランが出来てきたと聞きました。本当に観光業だけで成り立っているんですね。