ブルージュはベルギーの中でも観光名所として名高い街。街全体が博物館などと例えられるほど、きれいな街並みが保管されたところです。
ブルージュの市内には、洒落たホテルはいくつかあるものの、安価なB&B的なホテルは少ない。僕たちが宿泊場所としたのは、そのブルージュから20kmほど離れたZeebruggeという地域で、運送トラックやらコンテナやらがたくさん集った、観光名所とは似ても似つかない場所にあるFormule 1です。近所にレストランなどは無い上、夜に到着したため、ホテルのレセプションで近所のスーパーマーケット(隣町のヘイストまで行かないとない)の場所を訊ね、車を走らせました。
隣町には到着したものの、スーパーマーケットらしきものは見当たらないし、あったとしても閉店時間を過ぎようとしています。ブルージュまで少し距離がありますが、夜遅くまで開いている店が確実にあるはず。カーナビを頼りに走り出しましたが、工事中の区間があって、カーナビの指示から外れたコースを行くことに・・・。
新しく計算されたコースを辿って行きますが、そちらも工事中なのでさらに迂回。気がつけば舗装路を外れてガタガタの土盛りの農道のような道路を走ることになってしまいました。欧州の道路には珍しく、ベルギーでは夜道の心強い味方であった街灯も、この車の通りの少ないこの道にはありません。トラクターが頻繁に通っているような、深い轍の残された、狭くて暗い道です。冬枯れした街路樹が、低く車にぶつかるほどにしなだれかかってきて、今にも幽霊かチェーンソーを持った人が出てきそうなムード。
一人でドライブしていたなら間違いなく後戻りするはずの道を、さらに進むと今度は農家の敷地と思われる、木製の門扉をくぐることになりました。その向こうに続く道が見えて、それが街灯のある車道に繋がっているようなので、勇気を出して突っ切ると、無事他の車の走る道路に出ることが出来ました。
そしてブルージュまで到着。でもここでも走っていいのかどうか分からない道路や一方通行がたくさん。特にこれと決めたレストランに向っていたわけではないので、適当な道路に駐車できそうな場所を見つけて、そこから中心部まで歩いて行きました。
レストランは、いわゆる観光客向けの選びやすいメニューだけど味はいまいちな店しかありません。名物のビールだけはしっかり飲んで、後は安めのコースで我慢。一通り食べ終り、暖まった身体で外に出ると、急激に芯まで冷える寒さに凍えますが、きらびやかな夜の街並みは僕たちの来訪を歓迎してくれているように感じます。
翌朝から早速観光。街の中心のマルクト広場にある鐘楼に登ったり、教会を覗いたりと、いつも通りの観光なのですが、街並や名所の良さよりも、寒さとなかなか晴れない霧が強く印象に残っています。寒くてもビールは飲むんですけれど。
ベルギーでは都市間の移動は高速道路ではなく、制限速度が頻繁に変化する、気の抜けない自動車道を走るのが一般的になります。高速道路のように一本道ではないので、交差する道路から進入してくる車も多いし、先のような農道に出くわすことも珍しくありません。市街地では、自動車の通行を前提としていない、狭い石畳の道路が大半なので、カーナビの指示だけではどの方向に進んでいいのか分からなくなるような場所も少なくありません。他の国と比べて街灯が多いので、夜道は走りやすいのですが、それも一部の自動車道に限られたことのようです。