プラハ名物のひとつ人形劇を観劇してきました。混雑するらしいのでチケットを入手するために、昼間のうちに劇場に行ってチケットを購入。夜8時30分の開演時間の30分前に到着すると、韓国人の3人組がいるだけ。少し拍子抜けしましたが、見やすい場所を確保できました。
この人形劇、特に韓国人観光客に人気が高いようで、劇場正面の案内板には韓国の雑誌で取り上げられた情報が掲示されていたり、韓国公演の時のパンフレットが貼り付けられたりしています。開演時間が近づくに連れ、満席とはいかないものの劇場いっぱいに集った観客の中にも、やはり韓国人の割合が多いみたい。
題目はモーツァルトのドンジョバンニ。クラシックオペラの劇場並みにブザーが開演を告げると、モーツァルトらしき指揮者の人形が現れ、観客たちに挨拶をするところから人形劇が始まります。ところどころにユーモアを交えて展開する古典オペラの名作は、動きの制約の多い人形によって繰り広げられるにも関わらず、人形使い達の技で表情豊かで笑いを誘います。
幕間に何度も登場してくるモーツァルトが、観客に愛想を振りまいたり、酔っぱらっていたり、時には指揮を放棄したりするのも面白い。現代のオペラでは絶対にあり得ない、指揮者と観客とのやりとりが、モーツァルトの時代には当たり前だったのかも知れないと思えてきます。
最後には人形使いのうちの一人が舞台まで出てくるなどして、少し尋常ではない終り方をしますが、観客の拍手喝采を浴びて幕を閉じた約2時間の人形劇は、とても楽しめるものでした。
以前に見たベトナム・ハノイの水上人形劇と比べると、人形そのものの工夫が少なく表情も限られています。どちらかというと人形使い達を含めて役者として観るような感じ。内容は、ドンジョバンニのストーリーに沿って端折り気味に展開されるので、長時間観ても飽きません。ところどころに含まれるジョークや性的なユーモアは、大人向けに作られたものならではだと思います。
プラハ市内を歩いていると、あちらこちらで人形劇の劇場があります。それぞれに工夫を凝らして、楽しいものだとは思いますが、観光局で紹介しているのは、国立マリオネット劇場の一軒だけです。