マラケシュまでの移動は、テレビ「世界の車窓から」でも紹介された国鉄で。9時29分にメクネスの駅を出た列車は、8時間かけてマラケシュに向います。これまで何かと時間にはルーズなバスや鉄道ばかりだったので、途中の駅も含めて時刻表通りに運行される列車に感動です。
決して安全ではないらしいので、眠ってはいけないと思いつつもうとうとしながら座っていると、気がつけば首都のラバトを過ぎ、カサブランカを過ぎ、マラケシュに到着していました。
マラケシュでは初日から嫌なことがありました。
マラケシュの観光の中心はジャマエルフナ広場という、広くて人通りの多い広場で、夜には屋台でいっぱいになります。いろいろな食べ物が売られている中で、ちいさな手作りソーセージを焼いて食べさせる店で夕食を摂ることにしました。値段もソーセージが10本くらい乗った皿で12ディルハム(約167円)とまあまあの安さ。味も結構いけます。地元の人に交じってソーセージを食べ終ると、二人分で24ディルハム払うつもりで50ディルハム札を渡すと、お釣りをくれません。問い質すと、ソーセージ5本が12ディルハムで10本なら25ディルハムだと言いだすしまつ。他の客は間違いなく同じ量のソーセージで12ディルハムしか払っていないし、明らかにぼったくりです。
騙される金額こそ小さいですが、同じ50ディルハムならもっとちゃんとした食事が出来ます。怒った僕たちは二人して大声で(僕はフランス語、ゆんじょんは日本語)お釣りを出せと文句を言い続け、最後には返してもらうことに成功しました。
日本人を始めとしてアジア人は、ちょっとくらいの金額なら文句を言わないので、甘く見られているようです。
当初の予定では、マラケシュで数日観光をした後、サハラ砂漠に近い町ザゴラまでさらに移動して、砂漠ツアーを楽しむことにしていました。ところが、列車移動の日から数日間微熱が続き、ベッドで寝続けるハメに。解熱剤を飲んで熱を下げても数時間経つと元通りになってしまいます。
冬場のマラケシュは、昼間日光の当たる場所では汗が出るほど暑くても、日陰に入れば寒いくらいに寒暖の差が激しいのが特徴。キープしていたホテルの部屋に暖房がなく、毎晩寒いため3日目には新市街の設備の新しいホテルに引っ越ししました。
結局新しいホテルで体調が戻るまで休み、観光を続けられるようになった頃にはモロッコの旅行の最終日です。これまでの街よりも数倍広いメディナを急ぎ足で駆け回り、博物館やマドラサを見て、お土産を買ってなどして過ごしました。
メディナの中は大きな迷路同様で、通った道をしっかりと記憶に刻みつけておかないと元の場所に戻ることが出来ません。特徴的な店や通りの風景などを頼りに、スーク(市場)の店をひやかしながら丸一日歩き通しました。
なんだかんだとドタバタのマラケシュそしてモロッコでしたが、それでももう一度来ても良いかな、と思う今日この頃です。