さて、快適とは言いがたいベンチにぎりぎりの二人掛けです。木製のベンチにはクッションが載せてありますが、すっかり草臥れた状態なので尻の痛みを予防するには頼りない。6時間の間、右に左に尻をずらしながら、時には二人で場所を交代しながらの旅となりました。船酔いがないか心配していたのですが、滑らかにしっかり進むボートではそんな心配は不要でした。
途中の景色は少々期待外れ。カフェオレ色の川、両岸には青々とした森、時々思い出したように現れる岩場が続きます。たまに民家が見えたり、水牛や山羊などの動物が水辺で涼を取っていると、乗客はとても珍しいものがあるかのように一斉にカメラを向けます。ゆんじょんも負けずとカメラをシャッターを切ります。その他はビアラオ(ラオスのビール)で飲んだくれているか、とりとめの無い話題で暇を紛らわせるかのどちらかです。
抑揚無く進むボートはじわりじわりとパークベンへ向けて進んでいるはずですが、たまに地元の人が桟橋もなにもない船着き場で乗り降りするのを除けば退屈きわまりない船旅。2時間もすれば話題もビールも底を尽き、みなぼう然と両岸の変わらぬ風景を眺めるかしばしの睡魔に襲われるかで、単調なディーゼルのリズムだけが船内に響きます。
6時間もそろそろ超えようとした頃に、何やらリゾートのバンガローのような洒落た建物が見えてきました。パークベンに到着したのではないかと船内が騒然とします。誰かが拍手しだしても不思議では無いような浮かれ度合い。しばらくするとバンガローだけではなく、小さなゲストハウス風の建物や岸を忙しそうに動き回る人々の姿が見えてきて、パークベンへの到着が現実のものに。尻の痛みとそれ以上は堪えられない退屈に耐えてご褒美のよう。ようやく1日目の船旅は終了です。
ボートが出発する前に、船着き場で係の人に脅されるようにしてゲストハウスの予約をさせられました。パークベンには宿が5つしかなくすぐに満室になってしまうし、船着き場からの送迎がないと大変だと。
前回チェンマイに行く際にホアランポーン駅で予約したゲストハウスに納得できなかったので、できれば自分で部屋を確認せずに予約はしたくなかったのですが、本当に宿がなかったら大変なことになるので予約してしまいました。
岸に着くと早速ピックアップトラックの荷台に載せられ、200mほどの距離を運ばれます。そして到着したのがDonevilaska Guesthouseこの近辺では珍しいホットシャワー付きですが90000Kip(約1285円)の高額ゲストハウスです。