2月2日、パリに到着しました。
最後にパリを離れた6年前と変わらぬ、飛行機からの景色。空港の出国審査のいい加減さもそのまま。入国スタンプすらスルーなので、わざわざお願いして捺してもらったら嫌な顔をされました。
11年近く住んだ街だけあって、久しぶりの来訪は感慨深い。日本での生活で少し忘れていた懐かしい匂いを嗅いだ気がし、「来た」のではなく「戻ってきた」と感じました。
2月1日朝6時、マラケシュのホテルを出ると、冷たい湿った空気が身体を包み込み、砂漠に近いモロッコ特有の朝夕の気温差を肌で感じます。タクシーで空港へ向う道中は、霧に覆われて幻想的な風景。他の車の姿はほとんどなく、人の少ない空港に到着しても、まだ今日飛び立つという実感がない。
出国審査や手荷物検査を済ませてコーヒーを飲んでいると、濃い霧の影響でフライトに遅れが出ているとの放送がありました。僕たちの乗る予定のフライトも遅れるようです。パリまでの移動は、ロンドンで別の便に乗り換える予定になっているため、最初の便が遅れると乗り継ぎで着なくなる可能性が出てきました。
一度通った入国審査などを逆向きに通って(モロッコ人のフランス語力に感謝)、British Airwaysのチェックインカウンターで乗り継ぎ便を変更してもらいました。パリまでの直行便もあったのですが、オルリー空港到着の便しかなく、レンタカーを予約したシャルルドゴール空港に到着するため、ロンドン経由のままにしました。
いつまで経ってもなかなか霧は晴れず、30分おきにようやく1便が飛び立つかどうかという状態。結局、9時15分発のフライトは12時30分発になり、待ちくたびれた欧米人たちに交じって機中の人となりました。British Airwaysの便名が付いていますが、GE Airwaysという関連会社のオペレーションする飛行機です。それだからなのか、座席のシートは掃除が全くされておらず、テーブルは前のひとがこぼしたパンくずや飲み物のシミだらけ。とても快適な空の旅とは言えません。
途中経由するカサブランカでも再びトラブルが。燃料を補給する必要があるのですが、待っている燃料車が全然到着しないと言うのです。どうやら他の飛行機も同じ目に遭っているようで、滑走路に着陸する飛行機はあっても、離陸する飛行機は全く見当たりません。結局ここでも2時間待ち。ようやく飛行機がロンドンのヒースロー空港に到着した時には、乗り継ぎのフライトに間に合わない時間になってしまいました。
しかもその便は最終便とあって、翌日まで強制的にロンドン滞在。幸い航空会社側で空港内にあるヒルトンホテルの部屋を手配してくれたので、久しぶりに高級ホテルでゆっくり出来ることになりました。無料で夕食と朝食もついています。しばらくご無沙汰していたヨーロッパの味を、お腹いっぱいになるまで堪能しました。
翌日早朝の便でパリシャルルドゴール空港に到着。ATMでユーロをいくらか引出し、レンタカーを受け取るべくレンタカー会社に電話します。今回使う車は、新車のPeugeot 207。Peugeot Open EuropeというEU圏外在住者専用の長期レンタカーサービスを使うため、1日あたりのレンタル料がとても安くて済みます。
簡単な書類のサインだけで車のキーを受取り、いざ出発。左ハンドル、マニュアル、ディーゼルという不慣れな条件が3つも揃った車が、これから約4ヶ月続く欧州旅行での道連れです。なだめるようにゆっくり走らせますが、エンストを連発。レンタカー会社のパーキングを出るまでに随分と時間がかかってしまいました。
なんとかパリ市内に続く高速道路に乗って、今度こそいざ出発です。