次にマオリ族の彫刻と織物を現代に伝える工芸学校を見学。織物は原始的な道具を使って、マオラン(繊維を取るための植物の名前)の繊維の強さをうまく利用して作られていて、感心しました。ガイドさんもやる気を起こしてきたようで、自らマオランの草を使って織物を作る工程を実演。やっぱり安っぽいCGでは無く、こういう展示のほうが断然面白い。
彫刻学校では、学生達がノミやグラインダーなどを使って、器用に彫刻を作っている様子を拝見。もちろん現在の道具は最近になってから使われるようになったものですが、彫刻に掘られた波形が連続する不思議な模様や、彫刻に掘り込むモチーフは、過去からずっと受け継いできたものです。
マオリ族の集会場などの建物も見学出来ます。内部は彫刻がふんだんに使われていて、素晴らしい。
集会場を取り囲む建物のひとつに、楽器や武器などを含むマオリ文化全般から、この地域の自然などを展示した部屋があり、とても面白い。最初のCGが低俗だったのに反して、ここの展示はコンピュータを使ったものも、とてもキレイなデザインで直感的に体験出来るように作られていて、驚きです。
ガイドさんが席を外している間に、ツアーの客はあちこちで好き勝手に展示を見て回りました。楽しいので、2周くらいしてきました。
その後再び外に出て、過去のマオリ族の暮らしぶりを再現する展示を見ました。地中で作るハンギ料理やウナギの天日干しなどの作り方も見る事が出来ます。こういう再現展示にはトイレがどうなっていたかの説明が、いつも不足しています。マオリ族のトイレも分からず仕舞い。
次に向ったのはキーウィハウス。国鳥で絶滅危惧種のキーウィが、ガラス張りのケースの中でつがいで飼育されています。キーウィは夜行性なので、部屋は外光が入らないような構造になっていて薄暗い。大きな音や撮影も厳禁です。
雄のキーウィは潅木の下で眠っていて、体の一部しか見えませんでした。雌のキーウィはガラスのすぐそばに立っているのですが、毛繕いに夢中になっている様子で、顔が全然見えない。一所懸命の首を動かして、身体のどこかを突いています。
ずっと見ていると、一瞬だけ顔を上げましたが、本当に一瞬だけだったので、くちばししか見えません。本来なら愛らしい顔と特徴的なヒゲが見えたはず。想像していたよりも大きな身体が印象的。丸まって寝ていると、猫くらいの大きさがあります。
その後、間欠泉を近くから眺めて、ツアーは終わり。ポフツ間欠泉は、一日に10回以上噴出することで世界的にも有名で、ニュージーランド屈指の観光スポット、らしいのですが雨と湯気で真っ白。噴出しているのかどうかも分からないくらいでした。硫黄の臭いは強烈です。
僕たちはアメリカのイエローストーンで、いろんな間欠泉を見てしまったので、いまひとつ感動出来ませんでした。近くにいた日本人の団体ツアー客は、噴き上げるお湯が煙の間から時折見えるのを見て、歓声を上げています。