チェコもヨーロッパのシェンゲン領域に含まれる国のひとつ。自動車で国境を越える際に検問などはありません。ドイツの制限速度の無いアウトバーンから、国境の名残であるゲートをくぐって120km/h制限の高速道路を走り続けます。
最初のガソリンスタンドで、ユーロからチェココルナへの両替をし、チェコ国内の高速道路通行証を購入。国境は無くなっても、西ヨーロッパの国とは勝手が違う感じがしました。
初日は夕方にホテルに到着したため、無理せず休むことに。インターネットの安ホテル検索サイトで見つけたHotel Vysehradは、一泊860コルナ(約5,235円)とヨーロッパにおいては比較的安いにも関わらず、広々としたツインの部屋。バスタブもあるし、インターネットも無料で使えるし、毎日の掃除もしっかりと行き届いていて、とても良い買い物をした気がします。駐車場が確保できることを条件にしていたため、観光の中心地である旧市街の真ん中ではありませんが、メトロの駅も近いので便利でした。
翌日から早速観光に繰り出します。プラハのメトロは切符の買い方が複雑で、5駅まで20分以内の移動なら18コルナ(約110円)。乗り換えの回数をひと駅として数えるなどややこしいことが書いてあるのですが、ホテルのある駅からちょうど5駅の場所が旧市街なので、とりあえず一番安い切符を買いました。
目的の駅で下車すると検札の人が。ひょっとしたら一番安いものではダメだったかもと心配しつつ、切符を見せるとこれではダメだと言います。言いながら自信が無かったのか、係員がルールブックのようなもので調べると、結局その切符で良いことが判明。なかなか分かりにくいルールになっているようです。
最初の目的地である旧市庁舎のある広場へ行くと、人だかりの中心でバンドが演奏しています。平均年齢が70は軽く越えていると思われるおじいさんたちの奏でる、ビッグバンド風な軽い音楽ももちろん、おじいさんがメガホン片手にがなるボーカルがカッコいい。しばらく演奏した後、ウィスキータイムだから休憩と言って、楽器を広場に残したまま近くのバーに消えて行きました。
たくさんの観光客に交じって、旧市庁舎の宇宙時計が動くのを見たり、火薬塔やティン教会を眺めたり、アルフォンス・ミュシャの美術館に行ったりして観光を楽しみました。有名な観光名所が一箇所に集中した旧市街では物価が高め。昼食に入ったカフェで、サンドイッチだけでも結構な値段がすることに戦慄し、マクドナルドで腹ごしらえしました。それでも現地の物価を考えると凄い贅沢をした気がします。
翌日は王宮とその中にあるヴィート大聖堂を見学しました。旧市街から歩き始め、途中でセントニコラス教会を覗くと、教会内の素晴らしい装飾に驚かされます。人工大理石をふんだんに使った内装に、これでもかと言うほどの天井画が映えています。面白かったのは、二階にあるギャラリーに登れるため、一階から見る天井画を違った角度で眺められること。これまでに見た他の教会では不可能なほど、近くから天井画を見ることが出来ました。
王宮とその周辺の一群の建物は、書いても書いてもキリがないほど美しいし、いろいろな様式をまとめて見ることが出来る博物館のような場所です。王宮のある丘の上から眺める旧市街やヴァルタヴァ川にかかるカレル橋の美しさは写真や文章では表現し切れません。
王宮の中で一番期待していたヴィート教会に到着すると、ぎりぎりで閉館時間となってしまい、中に入れませんでした。泣く泣く王宮の中を散歩しながら、黄金の小路へ。カフカが住んでいたという狭い通りは、写真を撮ったり、土産物屋に出入りする観光客で溢れ返っています。通りのひとつひとつの建物が可愛らしく色とりどりで、どこから見ても絵になる。
プラハ最後の日の朝に再度ヴィート教会に挑戦。午前中にも関わらず観光客でいっぱいですが、ミュシャのステンドグラスを満喫してきました。