フランクフルト行きのフライト、Condor DE7377便がイスタンブールのサビハギョクチェン空港を飛び立ったのは、午前4時35分。予定のフライト時間より30分遅れての出発です。
フランクルトに到着したら、同日の23時55分発のQantas QF6便で一路シンガポールへ。シンガポールで給油した飛行機は、新しい乗客を乗せて再び飛び立ち、シドニーに2日後の5時10分に到着の予定。
バスの移動を開始する時間から計算すると、48時間10分の移動です。
バスの中と同様、サビハギョクチェン空港のロビーも満員です。この空港から深夜以降に出発するフライトは10便以上あるのに、深夜0時を最後に運行を停止してしまう空港送迎バスが、市内から空港までの唯一の公共交通機関。この時間に全フライトの乗客がロビーに集ってしまうわけです。
チェックインした時点で既にフライトが遅れると告げられました。予定より30分長くこの空港で暇を潰さなければなりません。ロビーの待合室が混雑しているので、2階にあるカフェバーにテーブルを見つけ陣取ります。トルコリラはここから先は使えなくなるため、コーヒーを飲んだり、ポテトチップスを食べたりして、小銭を使い切りました。手持無沙汰に、ブログをちょっと書いたり、ニュージーランドのガイドブックを読んだりして、時間を過ごすだけ。
ボーディングが始まった時には、大喜びで手荷物検査に駆けつけました。いつもならイライラするボディチェック(帽子をかぶるようになってから必ずと言っていいほど引っかかる)この時ばかりは楽しい。
Condorのフライトは、3時間。座席に着くや否や眠り始め、すぐに起こされ、軽食が配られる。食べ終って少し眠ったら、もう到着です。
前回のフランクフルト空港での待ち時間は、やる事も休憩場所も無く、とても辛い経験でした。今回はネットで情報収集し、空港内のラウンジが有料で使える事を調べておきました。なにしろ今回の待ち時間は17時間半。フライトの4時間前から使えるカンタス航空のラウンジで過ごす時間を差し引いても、13時間半。どこで安全に時間を過ごすかは、とても大きな課題です。
僕がネットで調べていたのは、Europe City Clubという名前のラウンジでしたが、インフォメーションカウンターで訊ねると、もうそのラウンジは無いとのこと。がく然としつつ、他に有料で使えるラウンジがないか聞くと、アメリカン航空のラウンジで聞いてみてくださいとの返答。
アメリカン航空のラウンジには、飲み物や食事もあれば、雑誌やテレビ、もちろん無線LAN(有料)もあり、ソファーに座ってゆっくりと出来そう。フロントの女性に13時間半もの間ラウンジを使いたいのだと、説明すると最初はビックリしていましたが、事情を話すと好きなだけ満喫してくださいと言われました。使用料のひとり50ドルは痛いけど、疲れた体を引きずって、空港内をうろうろするより断然ましです。
フライトの4時間前から、カンタス航空のチェックインが始まります。アメリカン航空のラウンジを出て、別の建物にあるカウンターでチェックインが済んだら、提携のキャセイパシフィック航空のラウンジが使えます。ここで僕たちは真っ先にシャワールームへ。
掃除が終ったばかりのシャワールームは、狭くて質素だけどそれなりに快適。体の汚れを落としたら、再びフライトまでの時間、ソファーでゆっくりします。QF6便のフライト時間が近づくに連れ、シャワールームを使う人がどんどん増えてきました。最後には順番待ちになるほどで、思い切って最初に使っておいたのは正解です。
飛行機の中ではほとんど眠っていました。シンガポールに到着したら、セキュリティチェックのためとやらで、シドニーまで乗り続ける乗客も全員飛行機を降ります。1時間ほどの待ち時間の間に、ニュージーランドで再会する友人のアベ君にあげるお土産を買ったり、ゆんじょんの友人でシンガポールに住んでいるミリョンさんに電話したり。再び手荷物検査を受け、飛行機に戻ると、シドニーまでは再び寝て過ごします。
シドニーに着いたら、検疫でお土産(豚肉のジャーキー)を取り上げられてしまいました。予め検疫が厳しいと知っていたので、シンガポールのお土産屋とインフォメーションカウンターで何度も確認したのに。
空港を出る準備をしている時、偶然にもゆんじょんがダライラマの出迎えグループがいることを発見。まさに中国のチベット民族弾圧の話題で、世界中のマスコミが持ち切りの最中です。突然渦中の人の到来に、二人とも興奮して出迎えの列の近くでカメラを構えてスタンバイ。
この日シドニーに到着したダライラマが、空港内のカンファレンスルームで記者会見をした後、市内に向けて空港を出るところで、お顔を拝見することが出来ました。出迎えのグループも含め、誰一人歓声をあげたり、送迎の列を乱したりせず、不思議なまでの静けさが印象的でした。
予約しておいたYWCAホテルへは、乗り合いのシャトルバスで到着。宿泊代がとても高いのに、共同シャワーしかなく、無線LANも使えないし、ベッドも小さい。翌日にはニュージーランドのオークランドに向って飛ぶので、仕方なく我慢して泊まりました。
シャトルバスの車窓からは、早朝の市内の寂れた風景が見えます。僕たちにとって、シドニーの最初の印象は決して良いものではありませんでした。