そこからさらに車を進めると、大きな石がごろごろ転がる中を4WDのパワーをフルに使って駆け上がっていく、このツアーで最も険しいルートにさしかかります。いつパンクしても不思議ではないような、石だらけの道を、時には時速5キロくらいで、時には20キロくらいで飛ばして行きます。
途中で遭遇した別のチームのランクルはパンクして立ち往生。ノエルは昨夜の内に修理した、スペアタイヤを気前よくそのチームにあげてしまいました。僕たちの車がパンクした時にはどうなるのか、危なそうな場所を通るたびに心配になりますが、幸いその日はパンクなしでした。
次に訪れた湖は(名前を忘れてしまった)、フラミンゴを始め、海鳥のような鳥がたくさんいます。遠くにはビクーニャが4頭いるし、きつねも見つけることが出来ました。まさに野生動物の宝庫です。
フラミンゴは人間をあまり警戒していないのか、僕たちの手が届きそうな所まで近づいてきます。こちらが動くと、それを察知してさっと逃げて行き、またじっとしていると近づいてくるの繰り返し。思いっきり近づけてから、立ち上がりざまにシャッターを切って、羽ばたくと黒い羽が見える瞬間をなんとか撮ることが出来ました。
昼食を終え、しばらくするときつねが2匹姿を現しました。どうやら他のチームの残した昼食の食べ残しを狙って来たようです。警戒心がとても強いので、遠巻きにして餌を食べている所をパチリ。
その後ラグーナコロラダまでの途中で、これでもかというほどフラミンゴのいる湖や、アルボルデピエドラという岩が風雨で削られて、木のように見える観光ポイントや、ビスカチャという尻尾の長いウサギの一種がいる場所で休憩して行きます。
そしてラグーナコロラダ。その名の通り、真っ赤な湖です。ノエルによれば、水中に含まれているミネラルによって赤く見えるとのこと。別のミネラル分が、浮き固まって真っ白な雪のようになった堆積物も岸にたくさんあります。
本日のメインイベントのはずが、車を降りると寒い!随分と高度を上げてきたのと、太陽が雲に隠れてしまったのと、風が強いのとで、とてもゆっくり見学など出来ないほど寒いです。その日のホステルがすぐ近くと言うこともあって、ロクに写真も撮らないまま去ってしまいました。
高所にありながらも、すきま風だらけのとても寒い、そしてシャワー無しのホステルです。大味な作りのホステルなので、ツインの部屋などありません。6人一緒のドミトリーで寝ることになりました。こんな僻地なので仕方ありません。
だんだん寒さが厳しくなっていく中、お茶をしながら、話していると夕食時間です。
最後の晩餐とあって、みながとっても期待している中、隣のチームのテーブルには豪勢なメニューがぞろぞろと出てきます。僕たちは到着が少し遅かったこともあって、他のチームより遅れて食べることになりました。ところが、温かくて美味しいスープで期待値がさらに上昇している僕たちに、今回のツアーで唯一のがっかりな事が。
トマトソースのスパゲティがメインです。タマネギばかりでトマトの味もしないスパゲティを、他のテーブルで早々と片づけられてゆく豪勢な食事を見ながら食べるのは、なんとも味気ない。あまりの期待外れに、なにか間違いがあったのではないかなどと勘ぐって、ノエルに聞いてみたものの、今日の食事はスパゲティだけとのこと。しかも食後のコーヒーもありません。
がっかり気分も手伝って、他のチームより早くベッドに入り込んだ僕たちでした。