マラガに着いた日は、午後からずっと雨が降り続いていました。
高速道路をいくつも乗り継ぎやって来たのは、コスタデルソルで最大の都市マラガ。ピカソが生まれた場所として、ヨーロッパ中からビーチを求めてひとが集ってくるリゾートエリアとして有名です。
シーズンオフの市内は、海岸沿いの目抜き通りにも人通りが少なく、ピークシーズンがやって来るまでには終了するはずの道路工事であちこちで渋滞。海と空の境界が判然としないグレーの水平線。
マラガの宿泊場所のアパートメントホテルに到着する前に、郊外のアウトレットが集る商業地区でスウェーデン家具のIKEAに立ち寄りました。もちろん家具などには縁のない僕たち。食料品コーナーに置いてある、ポテトチップスとピクルスが目的です。ディルの振りかけられた酸っぱいポテトチップスと甘酸っぱいピクルスは、ビールのつまみとして格別です。
ホテルはマラガ郊外の町、ベナルマデナにあるApartamentos La Hacíenda。カーナビのデータベースで住所を見つける事が出来ず、ピンク色の建物を探して1時間も迷ってしまいました。
商店の並ぶ道路に看板を見つけ、驚くほど急な坂道を下った先にあるホテルに到着。呼び鈴を鳴らして出てきたマダムに、部屋の設備の説明をしてもらってチェックイン。こんな天気だからか、シーズンがずれているからか、宿泊客は少ないようです。
部屋は4人まで泊まれる大きなマンションタイプ。細かく別けられた間取りは、日本の住宅を彷彿とさせます。キッチンには大型の冷蔵庫や食器洗い機も設置されていて、長期間マラガで休暇を楽しむヨーロッパ人のバカンスにとってはぴったりといった感じ。無線LANでネットも高速に繋がるし、テレビも衛星放送が入っているし、近所には大型のスーパーも何軒かあります。
この天気と部屋の居心地の良さのため、僕たちは結局8泊も過ごす事に。なにしろ最初の4日間は大雨で、観光など出来る状態ではありません。毎日スーパーとホテルを行き来する以外には、何もせずのんびり過ごしました。
5日目になり、ようやく天気が回復してきました。観光出来るタイミングを今か今かと待っていた僕たちは、アパートを飛び出し、車で20分ほどの距離にある白い村、ミハスへと向いました。
ミハスは日本人観光客も多く訪れる、アンダルシア独特の白い壁の家屋が連なる村。海岸を遠目に山腹に向って走ると、程なくして白く輝く集落が見えてきます。
インフォメーションに立ち寄って、地図を入手。地図に書かれているオススメの観光ルートに従って歩きました。
見どころと言っても、洞窟を利用して作られた教会や、いくつかの展望台、闘牛場など。展望台からの眺めは本当に絶景。遠くに見えるフエンヒローラの市街の向こうに青い海が見渡せ、もう少し天気がよければアフリカ大陸まで見えそう。小さくて真っ赤な扉が可愛らしい闘牛場も面白い。
村の中を歩いていると、白い壁が反射する日光が眩しくて、目くらましにあったように感じる場所もあります。
よほど日本人が多いのか、日本語を流暢に操るピーナッツ売りのオジサンや、覚えたての日本語を交えて話すレストランのウェイターなどもいます。普通にスペイン語で話してくれたほうが分かるんですが。
1時間ほどで一周出来てしまい、最後に出たのは村で一番美しいと言われているサンセバスチャン通り。工事中で半分ちかく掘り返されていて、これだけは少しげんなりしました。