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2008-06-092022-02-11

雨のマラガと白い村(3)

ロンダからマラガへ戻る途中、崖っぷちの車道の途中に休憩所がいくつかあります。
休憩所と言っても日本のように整備されているわけでも無ければ、トイレすらないような場所ですが、そんな休憩所のひとつからジブラルタル半島のターリク山が見える瞬間がありました。慌てて休憩所に車を乗り入れ、三脚を置いて写真を数枚。霞の向こうに山の形がぼんやり、その独特のシルエットを見せていました。

ロンダに行ったさらに翌日、僕たちはもうひとつの有名な白い村、カサレスを訪れました。
高速道路から外れ、山間を行く国道を走ります。緑多い風景はどこまで行っても変化が無いかのように感じる一方、どれだけ眺めていても飽きる事がありません。
都市部で渋滞に巻き込まれた事もあって、2時間かかって村の外れの駐車場に到着。岩山に張り付くように小さな白い家がたくさん集った村は、緑の木々の間に埋もれるようにも見えます。駐車場と村との間には遊歩道が作られており、それを伝って村の端まで辿り着きます。そこからは傾斜の鋭い階段の道を、一段一段下りて行く事に。村に住むご老人たちにとっては、大変だろうと想像に難くない。暑い日差しのせいもあり、少し汗ばんできます。

階段を下り切った場所が、村の中心エスパーニャ広場。中央に小さな噴水があるのを除けば、取り立ててなにか見どころがあるわけではありませんが、広場の影になった部分には、お年寄りが孫を遊ばせていたり、じっと動かず座っていたりして、間違いなく住民たちの集いの場である事が分かります。
最初に入った村の教会に、フランス人達のグループがガイドさんの説明を聞いていました。僕たちはガイドブックの1ページにも満たない情報しか無かったので、ちゃんとしたツアーガイドの説明が聴ける願ってもないチャンス。

この地に住むガイドさんの説明では、毎年の聖体祭では、普段は教会の祭壇に祀ってあるマリア像を神輿に乗せて、夜に村の近くにある洞窟まで運ぶ行列が行われる。村の人々はロウソクの薄明かりの中、神輿と一緒に歩き、すがりついて泣き叫ぶ人もいるくらい激しい感情を伴うことも。翌日にはムードがガラッと変わって、楽しくお祭り。音楽に合わせ老若男女が踊り、夜が明けるまで飲み明かすらしい。
マリア信仰は村人たちの生活にとても浸透していて、まるで自分の娘のように新しい洋服を作ってあげたり(もちろん人形サイズ)、お古のアクセサリーを着けてあげたり、毎日新鮮な生花を生けたりして、マリア像を大切に扱っています。教会に訪れる人は、神への祈りを捧げるだけでなく、自分の家庭の悩みを打ち明けたり、日々の出来事をマリア像に語って聞かせ、時には幼いキリスト像を胸に抱いて揺らしていたりもするそうです。

そんな聖母マリアと村人との話を聞いた後、グループと一緒に丘の上に階段を上って行きました。民家の軒先をかすめながら、くねくねと曲がる狭い階段を上り切ると頂上です。
この村にもイスラム文化の残骸が残されています。ひとつは山の頂上にあるアルカサバの遺構、そして現在はカトリックの教会として立て直されてしまった(さらに現在はそれすらも改装中)メスキータ。村の外にしか墓地を造らなかったイスラムの人々に対し、山の頂上の狭い面積に無理やり墓地を造り、狭くてもたくさん葬れるように独特の、棚型の墓の構造を作ってしまったカトリックの対比が面白い。
墓地の隣にある展望台は村で最も高い場所。展望台からジブラルタル半島はもちろんのこと、海峡を挟んだ対岸のモロッコのアトラス山脈までうっすらと見えます。遠く風力発電の風車が列をなして立っているのが見え、周囲の緑に囲まれた小さな民家が点々としている風景は牧歌的。ここからの眺めは、最高でした。

駐車場への帰り道、先に通った坂道では無く、村の外側を大きく迂回する緩やかな車道脇を上って行きました。村のご老人たちが賑やかに語り合っているバルがあったり、診療所の順番待ちをしていたり、休憩所にただ座って休んでいたりして、日常を垣間見る事が出来面白い。
古い村の中心部から谷を挟んで反対側は、新しい住宅などがどんどん建設されている地区。こちらからも村の全景を写真に納め、徐々に赤味を増す太陽が村を照らす風景ともお別れです。

2 thoughts on “雨のマラガと白い村(3)”

  1. kitano より:
    2008-06-09 14:46

    前略 こーへーさん、ゆんじょんさん。お元気ですか? ギリシャで地震があったと聞きましたが影響はありませんでしたか? 心配してます。不安ですね。もうフランクフルトへの便に乗っているといいのですが・・・。 今度はオーストラリアで時差が少なくなりますね。暑くて、寒くて、大変でしょうけれど、お気をつけて。では、また。  草々
    追記 フォト、楽しみにしておりますよ。北野

  2. Kohei より:
    2008-06-09 17:04

    kitanoくん、

    地震の影響はまったくありません。心配してくれてありがとう。

    明後日、オーストラリアに着いた翌日に、またすぐにニュージーランドに行きます。東京で同じ職場だった元同僚と再会出来るので、とても楽しみ。
    ニュージーランドではキャンピングカーでの旅になります。初めてなのでドキドキです。

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