アンダルシアの観光をセビーリャで終えた僕たちは、闘牛のリベンジを主な目的として、一路マドリードへと向いました。マドリードまでの途中にあるシウダードレアルでラマンチャ地方の観光地を訪ね歩いたら、首都に到着する予定。
アンダルシアからラマンチャへ。車で走っている間にも、雰囲気がぐっと変わってきます。白い石灰質の岩山にまだらに緑が生えているだけのアンダルシアに対し、車道の両側には赤い土が覗くようになり、緑の木々がびっしりと生えた山が増えてきます。山がちでくねくねした道路が多かったアンダルシアに比べて、ラマンチャは平野で道路もまっすぐ。ワイン畑が多いのもこの地方の風景の特徴。
ここはセルバンテスのドンキホーテの舞台となった地。安い宿の見つかったシウダードレアルを中心にして、2日に分けてドンキホーテゆかりの名所を巡る旅をします。
翌日には、遠出してカンポデクリプターナとその周囲の町を訪れました。
最初に立ち寄ったアルガマシーリャデアルバは、セルバンテスの投獄されていた洞窟のある町。観光案内所を兼ねた洞窟に行くと、係の人が手際よく普段は閉鎖されている洞窟を開けてくれました。洞窟は少しキレイに掃除され過ぎていて、あまり当時を思わせる雰囲気ではありません。手前の部屋にドンキホーテのサーベルやヘルメットが飾ってありました。
黄色い石造りの建物が並ぶ村の雰囲気はとても良く、快晴の空も手伝って、散歩するのが気持ちよい。村の中心にある教会前の広場に、ドンキホーテとサンチョ、ドゥルネシアの像を発見。実際この周辺の町や村には、必ずと言っていいほどドンキホーテに肖った銅像やらタイル画やらが存在しています。
続いてはカンポデクリプターナ。
周囲は風車が建っている場所が多く、車で走っている間に何度も見かけます。緑鮮やかな丘にぽつんとひとつだけ白い風車が黒く短い羽根を伸ばしているのは、時間が停まったかのような風景。
畑の中を行く県道の先に大きく広がった町が見えてきたと思うと、町を抱く丘の上にたくさん風車が建っているのが見えました。町の中心部に駐車して、そこから丘の頂上を目指して歩きます。丘の頂上に近づくほど傾斜が急になり、踏みしめるように石畳の上を登らなけらばなりません。
頂上に到着すると、観光案内所を兼ねた最初の風車「ポヤトス」が、突然目の前に姿を現しました。風車の中を改装した案内所では、日本の雑誌からスクラップしたのだと思われる解説のコピーなどももらえます。昼過ぎで、二人ともお腹が減っていたので、すぐ裏にあるレストランを教えてもらい、高級な雰囲気ですが思い切って入りました。
ウェイターに促されて席に着くと、窓際の席に一人旅の日本人女性が座っていました。挨拶をして、一緒に食事をすることに。やはり世界一周をしているというその人は、マドリードから列車でカンポデクリプターナまで遠征中。互いの旅行中の苦労話、貧乏話などをしながらの、食事が楽しい。
世界一周旅行とは言っても、興味のあるところを点々と飛行機を上手く使って飛んでいるらしく、とてもスマートな感じ。旅行の仕方もひとそれぞれだなと思わせられます。
僕たちが食べたのは、地元のマンチェゴ料理。細切れにしたパンを野菜と一緒に炒めたミガスという料理とラム肉の煮込み。すごく美味しいわけではありませんが、名物を食べられて満足。量は1人前半なのに値段は僕たちの夕食2日分くらいしました。