カッパドキアの奇岩群や岩に掘られた教会は、世界遺産に指定されるトルコを代表する観光地。どんなツアー客でも、カッパドキアを見ずしてトルコの旅をしたとは言えないほど、有名な風景が待ち受けています。
パリに住んでいる時、友人から借りたビデオテープに「世界不思議発見」のトルコ特集が録画されていました。このビデオで初めて、この世のものとは思えない風景を目にしました。会社の近くのケバブ屋でサンドイッチを買うと、店の中にカッパドキアのポスターが貼られていて、いつか行ってみたいなと思っていたのを懐かしく感じます。
サフランボルからギョレメまで、再びバスの移動。8時間。
途中、首都アンカラでの乗り換えとバスターミナルから市内までのセルビスに乗っている時間があるため、実際に移動に使った時間は11時間ほど。長い一日でした。
トルコの宿事情もだいたい分かってきたので、シーズンオフのこの時期なら、たいていどんなホテルも空きがあります。ターミナルまでセルビスで到着し、ガイドブックに載っている情報を頼りに、ホテルを探して歩きました。
バスの中で予め目星を付けておいたホテルを順に見て回りますが、イスタンブールやサフランボルと比べ、質がとても低いのに驚きます。それともこれまでたまたま幸運に恵まれただけなのかも知れません。
100リラ(約9,940円)以上出せば豪華な部屋に泊まることが出来ますが、それでは予算がもたない。50リラ以内で満足のゆく部屋を探し、あちこち訊ねまわっていると、Osman Houseというとてもキレイなホテルに遭遇。建物は出来上がって1年も経っていないような状態で、受付もオリエンタルな雰囲気で居心地が良さそうです。早速レセプションで空き部屋を訊ねてみると、満室との答え。
ガッカリして他のホテルに聞いてみると、今は良い部屋がないから別のホテルに連れて行ってあげる、などと詐欺まがいの事を言い出したので、キッパリとこちらからお断り。久しぶりにこういった怪しげな客引きに出会いました。結局その詐欺ホテルの隣にあった、Güwen Cave Pensionに泊まる事にしました。
Güwen Cave Pensionは部屋が狭いけど手入れの行き届いた印象の良いホテルですが、朝ご飯が不味いのが大問題。せいぜい2組くらいしか泊まっていないところを見ると、ビュッフェの大皿に盛りだくさんのヨーグルトやハム、サラダは、間違いなく何日も同じものが並んでいるはず。賞味期限が切れても食べられそうなオリーブとチーズ、サラダの傷んでいない部分を探し、パンと一緒に食べることになります。パンはさすがに新鮮。
2日目の朝で早くもホテルを引っ越しすることを前提に、観光のスケジュールを考えなければならない事態に陥りました。
ギョレメの周辺には、有名なカッパドキアの奇岩群や洞窟を掘って作られた教会のフレスコ画など、見どころがたくさん集っています。全部を見ようとすると1週間くらいはかかりそうなほど。
歩いて行ける場所には、もちろん自分たちで行きますが、車で何時間もかかる距離にある見どころを巡るためには、バスツアーを利用するのが一般的です。町の中心にあるバスターミナルにツアー会社が集っているので、そこへ情報収集しに出かけました。
最初に、あるブログで紹介されていたHiro Toursへ。やたらと英語が流暢なオヤジがあれこれ説明をしてくれます。オヤジによれば、フレスコ画を見るための野外博物館は比較的近場にあるので歩いてでも行ける。地下都市やウフララ渓谷をトレッキングするなら、バスツアーの方が市内の公共交通機関を自分で手配するより安いし、1日で遠くの見どころを全部制覇することが出来るので、おトク。ガイドブックにもブログにも同じようなことが書かれていました。
僕たちが必要としてた情報を全部教えてくれたので、お礼を言いつつ、近くにある別のツアー会社Roadrunner Travelへ。こちらは若干途切れ気味の英語で、やはり同じような説明を始めます。同じことを聞いても仕方がないので話を遮って、ギョレメに10軒以上ツアー会社があるけど、ここの売りは何なのかと質問。Roadrunnerはアンカラとイスタンブールにオフィスを持っているけど、どこも同じサービスを同じ値段で提供しているだけとの答え。なるほど、ギョレメにはツアー会社同士のカルテルがあって、どこでツアーに参加しても結局は同じなのです。催行最少人数に満たない場合は、Roadrunnerの客がHiroのツアーに合流することもある。
ツアーの善し悪しはガイドの質で左右されるものなので、ガイドさんも英語が流暢そうなHiro Toursのお世話になることにして、オフィスに戻り2日後に予約を入れました。