ロトルアに着くと、温泉独特の硫黄の臭いが出迎えてくれます。キャンプサイトのガイドブックを読むと、「硫黄の臭いがしません」というのが謳い文句なるほど、あちこち温泉の臭い。市内を走っていると、所々で湯煙が立ち上っているのが見えます。大通りに、供給過剰かと思われるほど立ち並ぶホテルは、ほとんど全てスパ施設付きです。町全体が温泉を中心とした宿泊型リゾートといった風情です。
この町は、オークランドと同じくらいアジア人比率が高い。あちこちに日本語や韓国語、中国語の看板が見えるし、町を歩く人の半数はアジア人の顔をしています。
キャンプサイトに行く前に、中心部の目抜き通りTutanekai Streetにあるスターバックスでお昼ご飯を食べながら、ネットに接続。ネットでの情報とガイドブックの情報を見比べて、テ・プイアでマオリ族の伝統芸能や間欠泉を見た後、ポリネシアンスパで温泉に入る事にしました。
ロトルア郊外にあるRotorua Family Holiday Parkは、雨さえ降っていなければ美しいはずのロトルア湖に面したキャンプサイト。北島を代表するロトルアには、先のホテルも含めて、宿泊施設が乱立しているので、オフシーズンはどこも値段が安いのが嬉しい。Rotorua Family Holiday Parkは、21.6NZ$(約1,791円)ニュージーランドで泊まったキャンプサイトの中でも最も安いのでした。
翌朝、夜中ずっと降り続いた雨がまだ止まず、出来れば翌日以降に観光を延ばしたい。僕たちは北島から南島に渡るカーフェリーを予約してあるので、その予約が変更出来るかどうか、まず電話で聞いてみる事にしました。
予約はキャンピングカーと同時に、ネットの代理店を通して申し込んであります。直接フェリー会社に予約をしていれば、日付の変更が出来たようなのですが、代理店経由なので、全ての手続は代理店でやってくださいと言われました。代理店に電話してみると、6日以上前でなければ変更・キャンセルは出来ないとの返事。残念。
屋外のアトラクションが中心のテ・プイアに電話して、雨天で実施されないアトラクションなどがないか訊ねると、どんな天気でも年中オープンしているので来てくださいと言いいます。レインコートを着て、傘を持って、観光する事にしました。
テ・プイアは1963年からマオリ文化の伝承のために設立された観光施設。設立は随分と古いですが、近年改装されたのか、中は出来上がったばかりの様相。チケットを買うと、入場券代わりの蛍光色のバンドを手首に着けてくれます。これで当日中は出入り自由です。
施設の中はとても広いので、毎時スタートする無料のガイドツアーに従って観るのが分かりやすそう。屋根のある場所で、雨宿りしながら待っていると、同じようにガイドツアー待ちの人がぽつぽつと集ってきました。
時間通りに始まったツアー。ガイドさんは先祖代々この地に住むマオリ族の女性。なんだか面倒くさそうに小さな声で話します。英語がとても聞き取りづらい。
最初に入り口にあるマオリ族の神様を象ったモニュメントと緑色の岩について説明。雨の音と、スピーカーから流れる音楽とで、あまりよく聞き取れません。
次に入り口そばの建物テ・ヘケタンガ・ア・ランギへ。CG映像を使ってマオリの伝承と歴史を紹介しているらしいのですが、低俗CGに無駄にお金をつぎ込んでしまった感じ。ガイドさんのやる気のなさも手伝って、ツアーに参加している10人は全員無言でついて行くだけです。ずっとこんな感じの展示が続くのなら、ひとり50NZ$(約4,147円)の入場料はもったいなかったかなと、早くも後悔し始めました。